「うおぉっ早い！」
「あんな走り見たことないぞ！？」
「きたねーよ！
あれレース用じゃねーのか？」
「そこまでいじらないだろ。
車の持つ力を最大限に引き出すのが
武王の仕事なんだから！」
明らかにさっきより早い２台。
響く驚愕の声。
それを冷たい瞳で眺める男たち。

「何が関東最速だ。
俺たちから逃げて他で勝ったって
なんの自慢にもなりゃしねぇ！」
「ココで会ったが百年目だ！
話つけてやろうぜ。」
「当然だ！」
メラメラと燃え上がるような闘争心。
睨み付ける２台。
前に出た赤。

『おおおおぉぉっ
女神が一歩リードか！？
それとも女神に甘いと言われる帝王が
手を抜いてるのかっ！？
それにしたってはえぇぇ～っ！』
響き渡る絶叫。
ぴったりと張り付く白。

『ぎゃあっ見ろっ！！
出たぁ！レコードっ
レーシングカー並みだぜ？！
ありえねぇっ！
あと半周！いったいどんなタイムになるんだ！？』
新たな記録を知らせるためチカチカと光る数字。
わき起こる大歓声。

『おぉっ帝王が出た！
しかし女神も譲らないっ！
うわぁっぶつかるっ！
ぶっぶつかってはいねぇのか！？
すげぇバトルだっ！』
ふらふらと左右に揺れる２台。