「うんとね…
だいすきはいっしょにいたいってこと！」
「ふぅん…だいすき…」
小さく呟くあやかの声。
おとなしく見守る貴之。

「ぼくはあやかちゃんがだいすきだよ。」
「あたしは…」
「いってみて？
たっくんだいすきって。」
「たっくんだいすき。」
「うん。」
「あやかっ楽しそうだな！」
こらえきれずに飛び込む部屋。
飛び上がる小さな２人。

「たかにーっ」
満面の笑顔で振り向いたあやか。
あやかの横顔をじっと見つめる拓海。

「車で遊んでたのか？
あっこれスカイラインじゃん！
シルビアもあんのか。」
「ゆき！」
小さな手が差し出した白。

「ほんとだ。ＦＣだな。」
「うんっいちばんはやいの。」
にっこりと笑う貴之。
まっすぐに見上げる薄茶の瞳。

「たかにー？」
「ん？どした？」
優しく撫でる薄茶の髪。

「あたし…
たかにーがだいすきだよ。」
嬉しそうに笑ったあやか。
動きの止まった貴之。

「えっ？」
「たかにーだいすきっ」
そう言って抱きついてくる小さな体。
ほのかに香る甘い匂い。

「あやか…」
腰に絡みつく細い腕。
そっとあやかの肩を抱いた貴之。
黙ったままの拓海。