「おっ来たか。」
「文太さんっご無沙汰してます！
車はココでいいっすか？」
「あぁ、かまわねぇよ。」
窓から覗く日焼けした顔。
沈黙する白いＦＣ。

「ユキか…久々に見たな。」
「とうちゃん…だぁれ？」
「父ちゃんの友達だ。」
「ふぅん。」
出て来た息子。
眠そうな顔。

「貴之、大丈夫か？」
「うるせぇっ平気だ！
あやか、ホラつかまれ。」
「あ…くつ、ぬげちゃった。」
「どこ？あっあった！
はい。ちゃんとはいて…ほら。」
ごそごそと後部座席で動く影。
先に降りた武田。

「文太さんっお久しぶりです！
これっ土産にハーバーと酒です。」
「おぉ悪いな。
あれが尚子の子か？」
「はい。すいません。
一緒に行くってきかなくて…」
「別にかまわねぇよ。
拓海もいるしな。」
タバコをふかす文太。

「足下、気をつけて。」
「うん。」
まず降り立った少年。
ぎらぎらと輝く瞳。

「ちっとも似てねぇな。」
「ダンナがいい男で、あっちに似てくれたんすよ。
尚子にそっくりで男の子なんてかわいそうじゃないっすか。」
「自分の妹だろーが。
そりゃひでぇぞっ」
笑い合う２人。
じっとＦＣを見つめる拓海。
ピンク色のワンピース。