「政子さん。
コレもう無いよ。」
「なんだよ…また胃薬か？
新しいのあるぞ、ホレ。」
「ありがとう。」
ため息をつきながら錠剤の詰まった瓶を受け取る武王の社長。

「なんかあったのか？」
「いや…別に。」
「ふぅん。
あっ泣いてる！
もう起きたのかよっ」
慌てて和室へ駆け出す政子。

入れ替わりに現れた制服姿の女神。

おびえる武田。

キリキリと痛み出したみぞおち。

「おいっ武田！
涼介さんの電話番号まだわかんないのか！？」
「まっまだ…」
「ちゃんと調べとけよ！
行ってくる。」
「あぁ…行ってらっしゃい。」
胸をなで下ろしながら見送る背中。

「あったかにーっ
おはよう！」
「おぅ、おはよ。」
耳に届く会話。

「今日は試験前だから早いよ。」
「あぁ、知ってる。
気をつけてな。」
「うん！
行ってきますっ」
直後に現れた帝王。

またしても痛み出すみぞおち。

「おぅ武田！
あやかに何も言ってねぇだろうな。」
「いっ言うわけねぇだろ！」
「ならいい。」
そう言って背中を向ける貴之。


水とともに流し込む錠剤。





武田の苦悩は


その後もしばらく続くのであった。



→次はあとがきです。