「なに飲むんだ？」
「カルピス。」
「コーヒー買ってきたぞ？」
「じゃあ雪印のコーヒー！」
「了解。」
微笑んで開く冷蔵庫。

取り出すパック。

手にしたストロー。

「もう少ししたら昼メシ作ってやるから。」
「うんっありがと。」
茶色のパックをテーブルに置いた貴之。

女神の横に沈める腰。

ふと口を開いた武田。

「政子さんは…」
「だいぶ疲れてそうだったから
寝かしといてやれよ。」
「あ～だいぶ泣いてたな…省吾は。」
「そうなの？
ぜんぜん気付かなかった。」
呟いたあやか。

「１度も起きなかったのか？」
「うん。」
何か言いかけた武田。

すかさず睨み付けた貴之。

「あ…でもなんかへんな夢みた気がする。」
「…どんな夢？」
あやかを見つめるギラギラした瞳。

スプーンをくわえて天井を見つめる女神。

「うーん…忘れちゃった！」
「なんだよっくそっ」
大げさに言う武田。

じろりと睨む帝王。

「昼メシ何が食いたい？」
「チャーハン！
たかにーのチャーハンおいしーもんっ」
「わかった。
うまいの作ってやる。」
優しく笑って撫でるやわらかい髪。

まっすぐに自分を見上げる薄茶の瞳。