久しぶりの排除勧告。


まったく…

そんなに大事なら

ちゃんと伝えりゃいいのによ。


でもあやかはまだ１４だもんな…

まだまだ早ぇよな。


「でも…
涼介に下心があるようには見えなかったけど…」
「武田は鈍感すぎる。
あいつの目は…」
「目？」
「なんでもねぇ。」
灰皿に押し付けるタバコ。


あやかを見る涼介の目。


確かに感じた熱い輝き。


密かに感じていた予感。


信じたかった２人の絆。


「史浩がかわいそうだな。
あっちのＦＣもだいぶ形になってきたのに…」
呟いた武田。

「史浩は松本んとこ行かせりゃいいだろ。」
「え？」
「スタッフもう１人欲しいっつってたし…
史浩の実家は群馬だろ。
松本んとこは近いから
行くなら自分が行きたいって言ってたぜ？」
立ち上がりキッチンへ歩き出す貴之。

きょとんとした社長。

「へっ？
いいのか？」
「史浩があいつの車をいじるのまで禁止したりしねぇよ。
ココ以外なら別に…
勝手にやればいい。」
冷たく言って開いた冷蔵庫。

取り出したビール。

「政子さん、１本もらうよ。」
「あぁ、１本だけだぞ。」
和室から聞こえた返事。