「何があったかぁ？
俺にも分からん。」
頭をぼりぼりと掻くゴツい手。
遠ざかっていくエキゾースト。

「えっ？」
「涼介はもうコッチに降りてると思ってたのによ…
騒がしいから見に行ったら
涼介が貴之に殴られてて…」
「貴之に！？」
激しく反応した史浩。


やっぱり！

でも…どうして？


「なんで…殴られたんでしょうか？」
「貴之が言うには…
涼介があやかのベッドで寝てたって…」
「ええぇ！？」
大げさ過ぎるリアクション。
もっともだとでも言うように頷く武田。

「涼介が忍び込むとは思えねぇし…
あやかが寝ぼけたかなんかしたんだろうけど。」
「まさか…」
青くなった史浩の顔。

「ん？」
「２人とも裸だった…
とかじゃないですよね？」
「…裸だったら生きてねぇだろ。」
「確かに…」
少し笑った２人。
揃って吐き出すため息。

「あやかちゃんはまだ寝てるんですか？」
「あぁ…起きそうにねぇな。」
「何が…あったんでしょう？」
「さぁな…
あやかが覚えてるかどうかも定かじゃねぇし…」
寝ぼけたあやかが引き起こした数々の事件。

本人には内緒にしていた面々。

ますます大きなため息をついた２人。