「あ！高橋…」
あんぐりと口を開ける武田。
啓介はあやかのわき腹をつっついた。
笑いながらその手を抑制しつつ
ケータイを手に取るあやか。

「院内はケータイ禁止！
だから電源きってあんだよ。」
「あ…外？」
「あぁ。話すんなら外。」
少し考えてから啓介を見る薄茶の瞳。

「電話してきていい？」
「ん？あぁ待ってる。」
小さく頷いて微笑む啓介。
にっこり笑ったあやか。


このオッサンなら…

あやかのこと知ってるだろうし

聞いてみたい…


笑顔でドアの向こうに消えたあやか。
残された二人の男。

「色々と…悪かったね。
面倒かけちまって…」
呟いた武田。