「お久しぶりです。」
「あっおっお久しぶりですっ」
頭を下げる涼介。
慌てる大輝。

「Ｄ…すごいですね。」
「おかげさまで。」
冷たい目で涼介を見る酒井。
薄く笑う切れ長の瞳。

「俺は…あやかちゃんが好きです。」
「さっ酒井さんっ！？」
「絶対に…あやかちゃんを幸せにして下さい。」
真っ赤になった顔。
驚く大輝。
ゆっくりと頷く涼介。

「はい。
でも…俺が幸せにするんじゃない。
２人で幸せになります。」
「２人で…」
涼介を見つめる大輝。

「涼介さぁんっ」
「あやか。
もう平気？」
「うんっ」
走り寄る女神。
少し赤いまぶた。
久しぶりの笑顔。

「大輝とサカイくん？
何かお話してたの？」
見上げるあやかに
優しく微笑む涼介。
胸が焼けるような感覚。

「俺もっあやかが好きだ！」
「はい？なにっ？」
「ずっと…ずっと好きだった。
幸せにしたいって…思ってたんだ…」
胸がつまって出てこない声。
切ない表情の女神。

「大輝…」
「大好きだよ…あやか。
幸せになれて…良かった…本当に…」
俯いて涙をこぼす大輝。
ゆっくりと近付く小さな体。
ふわりと香った甘い匂い。