「お前がいなかったら…俺」

「俺がいなくてもあの２人はくっついてたぜ。」

「ちげぇよ…
お前が…話を聞いてくれたから
俺は壊れなくて済んだ。」

ハッとするワタル。

「お前に…
あやかの幸せのために
俺たちにも出来ることがあるはずだって言われて…
それを頼りに頑張れたんだ。」

鼻をすする啓介。

「お前がいてくれたから
俺はサイアクな俺を見捨てずに来れた。
感謝してる…」

「お互い様だろっボケ！
俺だってお前と話せて
どんだけ救われたか…
俺こそありがとうだぜ。」

２人の目からこぼれる熱い涙。

育った友情。

かけがえのない友。

ぐしゃぐしゃな笑顔で頷き合う２人。


「あっワタル！」

不意に聞こえた声。

「史浩さん。」
「史浩！」
「なっなに泣いてるんだっ
２人とも！？」
恐怖に凍り付く史浩。

「ちっげぇよ！
あやかは無事だ。」
鼻をこすりながら言う啓介。

「じゃあなんでっ」
「雨降って地固まる…です。」
「えっ？」
ワタルを見上げる史浩。
笑顔で頷くワタル。

「あっ…涼介と？」
「兄貴と元サヤだ！」
「あっ…そ…そうか。
戻ったのか…
そうか…うん。」
何度も頷く史浩。