「愛してるよ。」
「やぁんっ
トモちゃんヘンだよっ」
逃げようとするあやかを
後ろから抱きしめる智幸。

「とっとっトモさんっ」
「やめろぉ！」
「はなせぇっ」
次々にガレージから出てくる男たち。

「トモさんっ何やってんすかっ！？」
「うるせーなっ
俺はあやかを愛してる！
誰にも文句は言わせねぇよっ！」
「トモちゃんっ
ふざけないでっ！」
「ふざけてない。
俺はあやかを愛してる。
だから…こーやってたまに会えればいい。」
あやかの頭に顎を乗せて呟いた智幸。
動きの止まる女神。
出てきたスタッフを制止する東堂。

「トモちゃん…」
「苦しいことやらツラいことをため込んで
泣きたい時に会いに来てくれる。
死ぬほど嬉しいんだぜ？
分かるかぁ？」
「そうなの？」
「あぁ。
セックスするだけが愛じゃねぇ。
人それぞれいろんな愛し方があるんだよ。」
おとなしくなったあやかを
抱きしめ直す智幸。
大きな手に重なる小さな手。

「いっつもいっつも…
会うと泣いてるから…
嫌われちゃうと思ってた…」
「アホ。んなわけねぇだろ。
あっ…
だから我慢して
しばらく連絡しなかったのかっ？」
「うん…」