「だいじょぶだよっ
あやかちゃんはかわいいよ！」
必死に訴える酒井。

「そうだ！
めちゃくちゃキレイになったぞ！」
力説する大輝。

「いいからどけ！お前ら。」
どすどすとあやかに近付く智幸。
俯く女神。
潤んだ薄茶の瞳。

「トモさんっヒドいっすよ！」
「あやかちゃんはかわいいじゃないですか！」
後ずさりながら交互に文句を言う２人。

「まだ未成年だろ。コラ」
奪い取ったメンソール。
一口吸って投げ込む灰皿。
自分を見上げる潤んだ瞳。
高鳴る胸。

「すげぇブサイク。」
呟いた声。

「トモさんっ」
「サイテーっすよ！」
２人の罵声をよそに
そっと撫でる頬。
ほっぺたを優しくつまむ大きな手。

「泣きたいなら泣けよ。
無理すんな。
そんなに無理してっと
ホントにブサイクになっちまうぞ。」
「う…トモちゃぁんっ」
「ぎゃっ」
「わっ！？」
智幸の胸に飛び込んだあやか。
小さな体を包み込む両腕。
ベタベタなリアクションの２人。

「まったく…
もっと早く連絡しろよ。
そんなブサイクな顔になる前にさ…」
優しく撫でる薄茶の髪。
激しく嗚咽するあやか。
吐き出す慟哭。