「だってっあたしはっ」

「なんでもいい！
俺はあやかにそばにいてほしいんだ…
別れるなんて言うなよっ」

耳をくすぐる声。

ぎゅうぎゅうと強く抱きしめる太い腕。

薄茶の髪に落ちる雫。


「あやかの…そばにいたい。
愛してるんだ…」

涙にかすれる愛しい声。

吐きそうになるほど切ない気持ち。


「たっくん…」

「あやか…愛してる。」


あぁ…


苦しいのに嬉しい。


ホントにサイテーだよ…あたし。


たっくんを苦しめるだけなのに…


「んっ」

重なった唇。

広がる熱。

こみ上げる切なさ。


「離さないから！
何があっても…」

抱きしめて耳に囁いた拓海。

ゆっくりと胸に頬を寄せた女神。

胸に広がる安堵感。


「たっくん…」

呟いた声。

「なに？」
「テリヤキバーガーの味がする…」
「えっ？」
「半分…落としちゃったね。」
「あ…うん。もういいんだ。」


良かった…


別れたりしないよね？

言ってみただけだよね？


別れようって言われて

初めて気が付いた。


ホントに俺は


あやかを愛してる。


もう…離さないからね。


何があっても！