「よくねぇな。」
「へっ？」
「遅かれ早かれダメになる。」
「なっ何がっ？」
「あやかのあの感じ…
何かあると思ってたけど
まさか貴之の声だとはねぇ。」
「なっ何がダメになるの？」
「拓海とあやかだよ。
うまくいくわけねぇだろ。」
冷たく言い放ち火をつけるタバコ。
つられて一本取り出すワタル。

「えっ？」
「涼介と別れて茫然自失だったあやかと
貴之と同じ声の拓海だろ？
しかも２人ともまだ若い…
別れるのも時間の問題だな。」
「えっ？でもいい感じだったぞ？」
「何がっすか？」
「あやかと拓海と文太さん。
あやかの箸まであったからなぁ…」
「箸！？」
激しく反応する武王の主任。

「そうそう！
あやかが文太さんのこと『お父さん』って呼ぶとか言ってたっ」
「はぁぁ！？」
妻とワタルに迫られて縮みあがる武田。

「お前っ！
そりゃどーゆー事だっ」
「それってっ」
「だからっ話の流れで！」
「流れもくそもねぇだろっ
あやかは嫁にいく覚悟があるって事か！？」
ものすごい迫力で怒鳴りつける政子。

「けっ結婚する気はまだないってっ」
「なんだよっ
ったく。驚かせんなっ！」