「あいよ。
一杯やるか？」
「いや…車なんで。」
「外泊なんてしたら政子さんに殺されるもんね。」
「よけーなこと言うなっ」
「相変わらずだな。」
目を細めてタバコに火をつける文太。

「いただきます。」
「あたしは湯葉たべる～」
割り箸を割る武田。
赤い箸を手にするあやか。


あやかの箸まであるのか…


う～ん

このままだとマジで嫁ってカンジだな…


白いとうふを口に運ぶ武田。

「んっうまい！」
「おいしーよねっ
文ちゃんのおとうふ！」
「そんなにしょっちゅう食べて
よく飽きないよな…」
呟く拓海。

「だっておいしいもんっ
毎日だって食べられるよ～」
「じゃあ…毎日食うか？」
ふと呟いた文太。

「ぶっ文太さんっ！？」
「きたねぇっ飛ばすなっ」
「武田サイテーっ」
思わず叫んだ武田。
飛び散ったとうふ。
慌ててティッシュを取り出すあやか。

「げほっごほ…すっすいませんっ」
「落ち着いて食え。」
「まったく！
失礼だぞっ武田！
文ちゃん大丈夫？」
「あぁ平気だ。」
「俺、お茶いれてくる。」
立ち上がる拓海。
むせて咳き込む武田。
その背中を叩くあやか。
やけに賑やかな藤原とうふ店。