「分かりません…」
「分からない？」
「あやかと…見つめ合ってる時は幸せです。
だけど…分からなくなる。
目を閉じたあやかは
俺じゃなく、たかにーを思ってるんじゃないかって…」
長いまつげ。
自分の声に耳を傾ける愛しい人。
どろどろと渦巻く黒い感情。

「そう言う部分も無くはないだろうな。
俺も最初はビックリしたし…」
「怖いんです。
それを確かめるのが…」
「怖い？」
「でも、いいんです。
俺はあやかを愛してる。
誰にも渡したくない。」
「えっ？」


愛してる？
渡したくない？

藤原は…あやかちゃんと…？


もう食われてたのか！？


真っ赤になった史浩。
俯いて一点を睨む拓海。

「俺がぜったい幸せにしてやる。
そのためならなんだってします！」
「あ…」
「来たか。始めるぞ。」
現れた白い彗星。
ハッとする２人。
いつも通りの冷静な口調。

ほどなくして降りてきた啓介と
少し遅れてやって来たケンタ。


いつも通りの作戦会議は
いまだかつてない冷たい空気の中で行われた。


しかし
誰一人として
あやかの名前を口にする事はなかった…