あやか…

何があった？

なんでこんなに泣いてるの？


「あやか…」
「啓介が…」
ハッとする拓海。

「ウチにも来たよ。」
「えっ」
「何も言わなくていい。
ぜんぶ忘れて…」
「たっくん…」
すがるような薄茶の瞳。
こぼれる雫を舐めとる拓海。
そのまま重ねた唇。

「んっ…」
「大丈夫…俺がいるよ。」
「うん…」
頷くあやか。
ゆっくりと倒す細い肩。
吸い付く首すじ。


啓介さんにも

涼介さんにも

あやかは誰にも渡さない。


俺のだよね…


俺だけのあやかでいてよ。


深く繋ぐ唇。
絡み合う舌。
２人をつないだ銀の糸。


「あやか…
愛してる。」
呟いた拓海。
目を見開くあやか。

「ずっとそばにいさせて…」
額をつけて囁く優しい声。
あふれ出す涙。


「愛してる…あやか。」
また囁いて重ねた唇。
ぎゅっと瞑った瞳。


愛してる…なんて…

たかにーの声。

ウソみたい…

うれしいよぉ


閉じたままの瞳。
冷たい目でそれを見ながら
あやかを愛撫する拓海。
ビクビクと反応する小さな体。


あやか…

やっぱり…

声だけなのか？

違うよね？

怖い…