「じゃあまたメールするねっ」
「あぁ、気を付けてな！」
「またいつでもおいで！」
「うんっ」
「失礼します！」
「白い彗星によろしく言っといてくれ。」
「はいっ」
並んだ２台。
前にあやかと拓海。
後ろは史浩。

「またね～っ
お疲れちゃ～んっ」
遠ざかる甘い声。
聞きほれるエキゾースト。
残されたオッサン２人。

「行っちまったな…」
「あぁ…
でも…嬉しそうだった。
あやかちゃんが笑顔になれたんだから
来た価値はある。」
「どう思う？」
「何が？」
「あの少年だよ！
お持ち帰り…てゆーか…
なんだ？送られオオカミか？」
「下品だねぇ土建屋は…」
「やられちまうのかなぁ…
あやかちゃん。」
「やるだろうねぇ…
と言うかやった方がいいね。」
「何がだよっ」
「タバコの本数が多かっただろ？
精神的に不安定なんだ。」
足元に散らばる吸い殻。
黙り込むゴッドフット。

「誰かの代わりでもいい。
そばにいれば救われる事もある。
あの彼は…あやかちゃんを包んでくれるはずだ。」
「そうか…そうだよな。
あやかちゃんが幸せなら
それでいいよな。」
頷き合う２人。
満足げな笑顔。
もう聞こえないエキゾースト。