大きく煙を吐いてちらりと見上げる優しい瞳。
小さく首を傾げる拓海。

「その兄ちゃんとイチャイチャしたいのか…」
がっくりとうなだれる星野。
照れながらも否定はしないあやか。

「あっでもせっかく会えたんだから
俊ちゃんともバトルしたいよ！」
「そういうことなら早速
お相手つかまつりますよ？」
嬉しそうにおどける城島。
にっこり微笑む女神。

「たっくんとフーミンは？」
「あ…どうしましょうか？史浩さん。」
「俺たちはまた出直そう。
そもそも今日は偶然だしな。」
「偶然？」
また吸うタバコ。

「うん。本当は下見のつもりだったんだ。
だけど…ちょうど藤原の仕事先で…
今日は本当に偶然一緒になったんだよ。」
「仕事って…あぁ！
配送屋さんだっけ。」
「あぁ。今はこの近くを走ってる。」
「ふぅん…ホントにすっごい偶然だね！
あたしだってココに来たのは
だいぶ久々だもん！」
そう言って笑うあやかをまぶしそうに見つめる拓海。
史浩の胸に宿った不安。

「オレの言った通りだな！」
薄茶の髪を撫でる大きな手。

「へ？」
「何事にも必ず意味があるんだよ。
今日ここに来なかったら
この兄ちゃんとは出会えなかったろ？」