「えぇ…たぶん。」
「待って下さいっ
どうして俺の声が」
「原田貴之と同じ声だからだ。」
「えっ？」
動きの止まった拓海。
目を見合わせるオッサン２人。

「たかにーと同じ声？
俺が？」
「言われてみれば！」
「あぁ！貴之とよく似てるな！」
「お二人も貴之をご存知なんですか？」
「知ってるも何も…なぁ？」
意味ありげに城島に目をやる星野。

「貴之にはオレ達の全てを叩き込んだからね。」
「筋がよかったよな。」
「そうなんですか…」
「しかし…本当に似てるな。
もう一度しゃべってくれ。」
懐かしげに目を閉じるゴッドフット。

「しゃべってくれって言われても…
なんであやかがここにいるんですか？」
「おぉ～似てる！」
「このオッサンが一緒に走ろうってしつこく誘っててね。
今日やっと実現したんだ。
心因性のショックならじきに意識を取り戻すと思う。
横にした方がいい。」
「横ですか？」
立ったままあやかを抱きしめていた自分。
赤くなる頬。

「それなら俺の３４にするといい。こっちだ。」
「大丈夫か？藤原…」
「平気です。」
膝の裏に手を回し抱き上げる体。
意外な軽さに驚く拓海。

あやか…

大丈夫なのか？