空き缶を手に向かう自販。
見覚えのある人影。

「フーミンっ？」
「えっ！？
わっあやかちゃんっ！」
「え～っなんでフーミンが
こんなとこにいんのっ？」
２人揃って見開く瞳。

「俺はコース撮り…」
「あっ好ちゃんが言ってた
バトルの相手ってＤなんだ！」
「パープルシャドウと知り合いなの？」
「ううん。
ただのオッサン２人だよ。あっ」
ハッとするあやか。

「涼介さん…いないよね？」
「あぁ…いないよ。
最近は会ってない。」
「そっか…」
「あっ」
何かを思い出したようにあやかを見る史浩。

「なに？」
「いやっなんでもないよ！」
「ヘンなの。ジュース出てるよ。」
空き缶を捨てながら笑う女神。


涼介はいないけど

今日は…

どうしてこんな時に会うんだ？


ダメだ！

２人を会わせるわけにはいかない！


「あ！」
また声を漏らす史浩。
いぶかしげな顔で自分を見る女神。
その後ろにトイレから戻ってきた自分の連れ。

「ん？」
振り向く薄茶の髪。
呆然と立ち尽くす男。
見覚えのある顔。
絡み合う視線。

「藤原っダメだ！」
「ふじわら？」
呟く甘い声。
動きの止まった史浩。
見つめ合う二人。