絡まり合う視線。

つややかなあやかの唇が
小さく動いたその時だった。

『ヴーンヴーン』
響くバイブの音。

「ん？どこだ？」
真っ赤になった啓介。
ハッとするあやか。

「あ…あたしのかばんは？」
「あ。そこ。」
ベッドの下に置かれたミュールとかばん。
啓介の腕を抜け出し取り出すケータイ。

「メール…２８件っ？
なんなのっ」
ふかふかの絨毯に座り込むあやか。
ケータイをいじるピンク色の長い爪。

「どうした？」
「ん～あたしが事故ったって広まったみたい…
安否確認のメールばっかり。」
かちかちとボタンを押しながら言うあやか。
ちらり見える谷間。