「涼介さ～ん
ちょっといいっすか～っ」
こちらに向かって手を振る男。

「あぁ…今いく。」
それだけ言うとあやかを見つめる涼介。


でも…

あやかが起きたら

きちんと謝ろう。


小さく頷くと
２人に目配せをして戻っていく涼介。

「あの人は…彼女とかいないんすか？」
「いない…と思う。
去年までいたんだけど…
走りと学校で忙しくなったからって別れたらしい。」
思わずついたため息。


なんだってこう…

そろそろ伝えようと思ってたのに…



そして


あやかは目を覚ますことなく

夜は明けたのであった。