「政子さんに聞いてみたら
最後までいってないって言ってました。
でも…
ショックが大きかったみたいで…
しばらくは俺も近寄れない状態だったんです。」
「いったい誰が…」
ふつふつと燃え上がる怒り。

史浩は拳を握りしめた。

「わかりません。
犯人を捕まえようとも思ったんですが…
そんな事よりあやかの傷を癒す方が大切だったんで…」
おいしいケーキ。
楽しい映画。
久しぶりのテーマパーク。
これでもかと遊んだ去年の冬。

「そうか…そうだよな。」
あらためて思い知るあやかへの愛情の深さ。
遠い目のワタル。