「うそだろっ
ドリフトかよ！？
四駆だろっあれ！」
滝のようになった道路を滑っていく黒い影。
少し笑った涼介。

「この雨なら滑らせた方が早い。
さすがだな…」
呟く声。


一歩間違えば先にあるのは死だ。

迷いや恐怖があったら出来ない。

それを振り払うために

何度も何度も走るんだ。


「行くぞ。」
兄の声に身構える啓介。
轟音と同時に感じるＧ。
横に流れていく景色。


さすが兄貴だ。

なめらかだぜ。


あやか…

初めて乗る四駆。

突然の雨。

それなのに…


「絶対に捕まえてやるぜ。
女神…」
涼介は口の中で呟いた。