「政子さん。お久しぶりです。」
「史浩！元気かっ」
よく通る声。
一斉に振り返った全員。

「あやか！？
なに泣いてんのっ？」
もの凄い早さで啓介を押し退ける彼女。
あっけにとられる啓介。

「どうしたっ？
なんで泣いてんのっ？」
小さく首を振って涙を流すあやか。
白く細い指がその涙をふき取る。

「あっあんたはっ
高橋涼介！」
大げさに驚く政子にも涼介は丁寧にお辞儀をして言った。

「ご無沙汰してます。政子さん。」
「なんでお前がココにいるんだよっ」
その声に皆が再び振り向く。
ドアの前にはワタル。
涼介を睨みつけるまっすぐな瞳。