「変わった色のベンツだからすぐ分かる。
オイル漏れしてたから気をつけてくれ。」
冷静な口調。


えっ？

なんの話？

誰と話してるの？


不思議そうに見ているあやか。
切った電話。

「車…あのままにしとくのも危ないから
知り合いに持ってきてもらうよ。」
さらっと言って笑う彼。
唖然とするあやか。

「えっ？そんなっ…」
「困った時はお互い様だろ？
大丈夫だよ。」
そして動き出す車。

「武田さんには下のファミレスに来てもらうように言ったから…
そこで待とう。」
優しく言った後、ベタ踏み。
心地良いロータリーの加速。