「オイ。なんだありゃ…」
とたんに不機嫌になる啓介。
驚きを隠せない史浩。

「何か話したんだろ…きっと。」
そう言って歩き出す史浩。
啓介も舌打ちをしながら後に続いた。

「病室に行ってていいのかな？」
「うん。
ワタルにはもう教えてあるから
武田の部屋で待ってれば平気だよ。
行こっ涼介さん。」
にっこりと兄を見上げるあやか。
笑顔で答える兄。


何があったんだよ。

何を話した？

このなれなれしさは

なんなんだよっ！


不機嫌そうに一番後ろを歩く啓介は
その胸に芽生えた感情を
必死に押し殺そうとしていた。