最低条件は最高難易度
そうこうしている間にいつの間にか昼休み。予定ではもうここでネタ晴らしするつもりだった。
だけど、疑念によってなんとなく、言えなかった。それは彼も同じだった。
彼の彼女に呼ばれて僕は彼の彼女と昼を共にした。期待していた、きっと彼女なら僕らの違和感に気が付くはずだ、と思った。
でもいつまでたっても今日の出来事を話すばかりで僕らのことに突っ込むことはなかった。
「なぁなぁ、今日の俺といつもの俺と違くね?」
「えーなんだろ?…あ、髪切った?」
「…じゃあ、美夜の、ようすは?」
「えー?特に変わった様子ないんじゃないかな?普段あんまり見てないから…と言うか性格日向と違いすぎじゃない?」
我慢できずに聞いてみても的外れな返答、疑念は確信になりつつも、諦めきれず日向の様子を聞いてみても、また求めてなかった返答だ。
そして僕の疑念は確信になったことが、決定してしまったのだ。
「って言うか、私日向しか見てないしっ」
照れながら言う彼女は、きっとこれが本当に彼だったら嬉しいんだろうけど、今ここにいる『日向』は彼の兄の『美夜』だ。
勝手に照れる彼女に僕は殺意に近い感情を抱きつつも(彼と僕の身訳もつかないくせに)、先生に呼ばれているんだった、と適当に言ってこの場を去った。
彼女はなんか言っていたけど、僕からすればきみはただの『日向の彼女』という存在価値だ。
僕からすればキンキン声が煩くて馬鹿な女ぐらいにしか思ってないからね。今僕になれば面倒なことになって後を追えないから日向のフリをした。
こっそりと僕らの話を聞いていた日向を僕は追いかけた。
先に走る日向を追いかける僕。
短距離走も長距離走も同じ速さで走り同じ体力の僕らだから、限界を迎えるのも同時だった。
追い付いた日向を適当に空いている教室にぽいっと入れた。僕もその教室に入った。
そして日向は泣いた。僕もつられて泣いた。
…少し見た目を同じにして性格もちょっと似せるだけで、僕は彼になって彼は僕になれてしまうんだって、知ってしまった。
僕は良い。だって僕は一人でいることが好きで本の虫って言われるぐらいずっと読書をしてる。人の目もなんも気にしないし興味もない。
だけど、日向は違う。今日だって傷ついただろう。いつも自分がいる場所に偽物(僕)がいたのに、誰も本当の日向の存在に気が付かない。
両親にも教師にも友だちと思っていた人にも、挙句彼女にも自身の存在が気が付かれなかったんだから。
僕にはそんな日向の悲しさや傷を理解できないけど、でも、日向の痛い悲しいって気持ちは僕にも流れてきたから、僕は日向と一緒に泣いた。
日向をこんな、気持ちにさせるぐらいなら、昨日提案されたいたずらは断っておけばよかった、と後悔した。
お互いを抱きしめながら、僕たちはわぁわぁ泣いた。
そして、一つ約束した。
『僕らのことを見分けをつけれる人以外と付き合うのは無しにしよう』と。
だけど、疑念によってなんとなく、言えなかった。それは彼も同じだった。
彼の彼女に呼ばれて僕は彼の彼女と昼を共にした。期待していた、きっと彼女なら僕らの違和感に気が付くはずだ、と思った。
でもいつまでたっても今日の出来事を話すばかりで僕らのことに突っ込むことはなかった。
「なぁなぁ、今日の俺といつもの俺と違くね?」
「えーなんだろ?…あ、髪切った?」
「…じゃあ、美夜の、ようすは?」
「えー?特に変わった様子ないんじゃないかな?普段あんまり見てないから…と言うか性格日向と違いすぎじゃない?」
我慢できずに聞いてみても的外れな返答、疑念は確信になりつつも、諦めきれず日向の様子を聞いてみても、また求めてなかった返答だ。
そして僕の疑念は確信になったことが、決定してしまったのだ。
「って言うか、私日向しか見てないしっ」
照れながら言う彼女は、きっとこれが本当に彼だったら嬉しいんだろうけど、今ここにいる『日向』は彼の兄の『美夜』だ。
勝手に照れる彼女に僕は殺意に近い感情を抱きつつも(彼と僕の身訳もつかないくせに)、先生に呼ばれているんだった、と適当に言ってこの場を去った。
彼女はなんか言っていたけど、僕からすればきみはただの『日向の彼女』という存在価値だ。
僕からすればキンキン声が煩くて馬鹿な女ぐらいにしか思ってないからね。今僕になれば面倒なことになって後を追えないから日向のフリをした。
こっそりと僕らの話を聞いていた日向を僕は追いかけた。
先に走る日向を追いかける僕。
短距離走も長距離走も同じ速さで走り同じ体力の僕らだから、限界を迎えるのも同時だった。
追い付いた日向を適当に空いている教室にぽいっと入れた。僕もその教室に入った。
そして日向は泣いた。僕もつられて泣いた。
…少し見た目を同じにして性格もちょっと似せるだけで、僕は彼になって彼は僕になれてしまうんだって、知ってしまった。
僕は良い。だって僕は一人でいることが好きで本の虫って言われるぐらいずっと読書をしてる。人の目もなんも気にしないし興味もない。
だけど、日向は違う。今日だって傷ついただろう。いつも自分がいる場所に偽物(僕)がいたのに、誰も本当の日向の存在に気が付かない。
両親にも教師にも友だちと思っていた人にも、挙句彼女にも自身の存在が気が付かれなかったんだから。
僕にはそんな日向の悲しさや傷を理解できないけど、でも、日向の痛い悲しいって気持ちは僕にも流れてきたから、僕は日向と一緒に泣いた。
日向をこんな、気持ちにさせるぐらいなら、昨日提案されたいたずらは断っておけばよかった、と後悔した。
お互いを抱きしめながら、僕たちはわぁわぁ泣いた。
そして、一つ約束した。
『僕らのことを見分けをつけれる人以外と付き合うのは無しにしよう』と。