Dream
Name change
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「銃兎さん、お帰りなさい。遅くまでお疲れ様です」
帰宅すると、るあきがわざわざ玄関まで出迎えてくれた。
「ええ、ただいま帰りました」
家で誰かが待っている事も、こうしてただいまと言うのも、未だに慣れず擽 ったい。
「先にお風呂入りますか?それともご飯にします?」
「…るあきという選択肢は無いんですか?」
手袋を外した手で彼女の顎を掬い、柔らかい唇を親指でなぞる。そんなキザな言動にるあきは頬を染め、分かりやすく動揺した。その可愛らしい反応に、思わず笑みがこぼれる。
「すみません、からかい過ぎましたね。冗談ですよ」
「銃兎さんも冗談なんて言うんですね」
赤い顔のままるあきは呟いた。我ながらそう思う。
「そのようですね。…先に風呂行って来ます」
「はい、ご飯温めておきますね」
そう言ってはにかんだ後、るあきはぱたぱたとキッチンへ向かう。彼女の背中といつの間にか増えて行ったキッチン道具を眺め、自身と環境が変化して行くのも悪くないなとふと思った。
「銃兎さん、何か良い事でもあったんですか?今すごくにこにこしてましたよ」
彼女がにこにこしながら言う。このような日常を守る為に俺は居るのだ。すっかり変わってしまった日常を、誰にも変えられないよう明日も生きて行く。
「るあきとなら、変わって行く環境も悪くないなと思っていたんです」
そう答えると、彼女は嬉しそうに頷いた。
「ふふ、私もそう思います」
「次に変わるとしたら…苗字、ですかね」
俺が呟いた言葉はるあきには届かなかったようで、きょとんと上目遣いでこちらを見詰めて来る。
そんな彼女の頭を撫で、俺はネクタイを緩めた。
─ END ─
【あとがき】
タイトルは「白鉛筆」様よりお借りしました。
2024/10/06
帰宅すると、るあきがわざわざ玄関まで出迎えてくれた。
「ええ、ただいま帰りました」
家で誰かが待っている事も、こうしてただいまと言うのも、未だに慣れず
「先にお風呂入りますか?それともご飯にします?」
「…るあきという選択肢は無いんですか?」
手袋を外した手で彼女の顎を掬い、柔らかい唇を親指でなぞる。そんなキザな言動にるあきは頬を染め、分かりやすく動揺した。その可愛らしい反応に、思わず笑みがこぼれる。
「すみません、からかい過ぎましたね。冗談ですよ」
「銃兎さんも冗談なんて言うんですね」
赤い顔のままるあきは呟いた。我ながらそう思う。
「そのようですね。…先に風呂行って来ます」
「はい、ご飯温めておきますね」
そう言ってはにかんだ後、るあきはぱたぱたとキッチンへ向かう。彼女の背中といつの間にか増えて行ったキッチン道具を眺め、自身と環境が変化して行くのも悪くないなとふと思った。
「銃兎さん、何か良い事でもあったんですか?今すごくにこにこしてましたよ」
彼女がにこにこしながら言う。このような日常を守る為に俺は居るのだ。すっかり変わってしまった日常を、誰にも変えられないよう明日も生きて行く。
「るあきとなら、変わって行く環境も悪くないなと思っていたんです」
そう答えると、彼女は嬉しそうに頷いた。
「ふふ、私もそう思います」
「次に変わるとしたら…苗字、ですかね」
俺が呟いた言葉はるあきには届かなかったようで、きょとんと上目遣いでこちらを見詰めて来る。
そんな彼女の頭を撫で、俺はネクタイを緩めた。
─ END ─
【あとがき】
タイトルは「白鉛筆」様よりお借りしました。
2024/10/06
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