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南雲先輩ってどんな人ですか?

【リズリンの吸血鬼】


 やあ、嬢ちゃん。お疲れ様。悪いのう、土曜日だというのにこんな時間に来てもらって。別の仕事があったから気にしないでほしい? ほう……『プロデューサー』と負けず劣らず忙しいみたいじゃのう? それはなによりじゃ。
 南雲くんの話じゃったか。あの子はわんこが可愛がってる印象が強いのう。ああ、わんこは大神晃牙のことじゃよ。そう銀髪でツンツン頭で反抗期の。去年の夏にも学院であれこれやってたようじゃし。何で知ってるか? ……くくく、例えあの地を去ったとしてもそれなりの伝手は持っているのでな。
 後は……そうそう、最近千秋くんに似てきたのう。元々よく言われてみたみたいじゃが……【MDM】で見た時は見違えるようじゃった。『流星隊』は問題が山積みのようじゃけど、我輩はそんなに心配しておらんよ。あの千秋くんと深海くんが育てた『子どもたち』なんじゃからのう。蜂に刺された程度ではへこたれまいて。
 群衆を率いるというのは思いの外難しい。我輩でさえ難しかった――いや、完全にはできなかった。それを吸血鬼でも神様でもない1人の人間が成し遂げようと精一杯足掻いたこと。その姿こそが人々に元気を与えたのだと我輩は思うよ。嬢ちゃんはどうかえ? ――おお、一緒か。気が合うのう。
 さて、我輩はそろそろお暇しようかのう。あまり話したところで記事にできる内容はないじゃろうし。どれだけ話したところで――やっぱり本人を見るのが1番だからのう。南雲くんは特にそういう人間じゃろうし。我輩はいくら言葉を尽くして語ったところでもう南雲くんは我輩の知っている南雲くんではないのだから。ふふ、よくわからんって顔をしておるな。大丈夫、いつかわかるじゃろうて。――いや、南雲くんの方から証明してくれるかもしれんのう。
 


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【リズリンの色男】


 こんにちは、たんぽぽちゃん……なんちゃって。もう、そんな嫌そうな顔しないでよ? 冗談なんだからさ。『プロデューサー』のお気に入りなだけあって君も真面目だね〜。これは緩い企画なんだし、もうちょっとリラックスしようよ。ね? 俺としては君ともっと話したいところだけど……やる気満々みたいだし早速始めちゃおうか。
 南雲くんと言えば……わんちゃんと仲が良い子だよね。おっと、わんちゃんは――ああ、もう零くんから聞いてたんだ。説明する手間が省けるのは助かるよ。俺はよくわからないんだけどゲームで白熱したりしててさ。『ロズナス』って知ってる? ……へぇ、俺が興味なかっただけで結構有名なんだね〜。
 後は……そうそう、アドニスくんと料理コンテストに出てたりもしていたね。もう2年前の話だけど、鬼龍くんから話を聞いたもりっちが一気に顔青ざめさせてたから印象に残ってるな〜。よく考えたら海賊フェスの時にも徹底的に火を使わせないようにしていたし、基本キッチンは南雲くん1人で立たせちゃいけないって暗黙のルールがあるし……まあそういうことだよね。それでも料理を禁止する人はいないんだからみんな何だかんだ優しいというか甘いというか……え、俺もその内の1人? ――はは、1本取られちゃったなぁ。
 でも俺自身は南雲くんとそんなに話したことないんだよね。ユニットも年齢も部活も違うし……あの子は多分俺みたいなタイプはあんまり好きじゃないだろうし。そんな気まずそうな顔しないで? 別にこれからずっと縁がないって訳じゃないんだから。もしかしたら来年同じ企画があったら仲良くなった俺たちが見られるかもよ?
 ふふ、もっと君と話したいけど……あんまり長話しているとわんちゃんや『プロデューサー』に怒られそうだからこれくらいにしておこうかな。――ああ、待って。最後に一言だけ。『南雲くん誕生日おめでとう』って記事に書いておいてね。


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【リズリンのロック】


 よう、待ってたぜ。……そんなに俺様が先に来てたのが意外かよ? 仕事なんだから早目に現場入りくらいするっての。今日はこれ以外特に用事もなかったしな。ほら、突っ立ってないでとっとと座れ。どうせ走って来たんだろ? 何でわかるって、そりゃ息切らせて入ってきたらそれくらいしか思いつかなねぇっつうの。
 鉄くんと最初に会ったのは【龍王戦】の時だな。いや、開催前に対戦相手になってくれってお願いしに来た時か。どこの部活のやつらも波風立てたくない腰抜けばっかりだったらしくて、軽音部の部室に来た時は必死に頼み込んで来てたぜ。俺も色々発散したい気分だから直ぐオーケーしたんだけどよ……結果はおまえも知ってると思うけど生徒会のやつらに水刺されて終わったって訳だ。
 そこから仲良くなったんですねって、あいつと俺が仲良しこよしみたいに言うな! 朔間先輩と羽風先輩がそう言ってた? ……ほんとにあの2人は余計なことばっかり……! 別に特別仲良しな訳じゃね〜よ。そうだな……まだ知り合って長くはね〜けど腐れ縁みたいなもんだ。意識してないけど気付いたらなにかと会う……そんな感じだ。
 ここ1年であいつも随分変わったよな。周りのやつらは心配だのなんだのうるせ〜けどよう――俺様は大して心配してないぜ? なんせ鉄くんだからな。迷走してる時にだけ道整えてやりゃあ後は勝手に走り出すさ。名前に『虎』って入ってる癖に猪みたいなやつだから。それに、こんなことで一々諦めてたら鉄くんの目指す『男のなかの男』になんてなれやしね〜だろ。
 おい、何笑ってるんだよ。結構真面目な話したつもりだったのに…………だから仲良しじゃね〜っての! あいつがうじうじ知ってると俺様が苛々するから手を貸してやってるだけ、それだけだ!


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【リズリンの慈愛】


 お疲れ様。俺の都合でミーティングルームじゃなくてこんな場所になってしまってすまない。お詫びと言ってはなんだが好きなものを頼んでくれ。おまえは『プロデューサー』に負けず劣らず小柄だからな。沢山食べて大きくなった方がいい。――残念ながらここは喫茶店だから肉のメニューはあまりないんだが。
 南雲には最近写真の加工について色々教えてもらった。大神に最低限はできるようになっておけと言われたものの、そういうものは俺はさっぱりだったから助かった。知らなかっただけで最近は色々なアプリがあるらしいな。目が大きくなったり、肌がやたら明るくなったり、動物の耳が生えたり……たまにそんな俺たちを見てファンの人は楽しいのかと疑問に感じてしまうが。
 そう言えば1度料理を振る舞ったこともあったな。ああ、料理コンテストの時ではなくて寮に来てからの話だ。同室の人が2人共不在だったらしく、南雲は1人で料理するのを禁止されているから声をかけたんだ。俺もあのルールは正しいと思うが……折角沢山の食材が用意されてるのに夕食がコンビニ弁当になるのは可哀想だと思った。肉を食べたいと言うので焼肉をしたんだ。途中から帰ってきた人がどんどん合流してきて、ちょっとしたパーティーみたいになってしまったが楽しかったぞ。南雲も終始いい食べっぷりでよかった。あれだけ沢山食べていればいつか大きくなれるだろう。
 南雲は――よく頑張っていると思う。できないことも進んで挑戦し、失敗しても諦めない。そんな南雲だからこそ手を貸そうとする人が集まるんじゃないだろうか。『男のなかの男』というものがどういうものなのか俺にはわからないが――南雲の夢がいつか叶うことを願っているし、叶えられると信じている。
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