1話＊失敗＊


森川 純:おはようございます！


店長:森川くん、おはよう！
今日は早いね！


森川 純:ちょっと色々調べものしようかと…


店長:そっかそっか！
ちゃんと休んでる？
勉強熱心なのは良いことだけど
息抜きも必要だよ！


森川 純:…大丈夫です…
ありがとうございます！


カランコロン


森川 純:いらっしゃいませ！


齋藤飛鳥:いつものください…


森川 純:はい、かしこまりました…

席までお持ちしますので…
座ってお待ちください…


(コクリとお辞儀して席に座った…)


森川 純:お待たせしました…
バナナシェイクとホットサンドです…


齋藤飛鳥:違う

いつものは
いちごみるくとホットサンド


森川 純:あっ…そうでした…

作り直します…


齋藤飛鳥:ちゃんと覚えときなさいよ

毎日来てるんだから！

で、それどうすんの？


森川 純:…えっ…


齋藤飛鳥:バナナシェイク
どうすんの？


森川 純:…あ…俺が飲むか…廃棄か…


齋藤飛鳥:あんたに飲まれんの可哀想だから私が飲む
置いといて…


森川 純:はい…

失礼しました…


(なんだよ…あの言い方…
はぁ…
今日はついてない…

さて…調べものするか…

げっ…席…あの子の隣しか空いてねぇ…
ま、いっか…)


よいしょ…

(彼女は俺をチラ見して、本に目を戻した)


・・・・


齋藤飛鳥:仕事中に何してんの？


森川 純:えっ…
あぁ…俺…まだ仕事前…


齋藤飛鳥:ふーん…


森川 純:難しそうな本読んでるんだね…


齋藤飛鳥:…



森川 純(シカトかいっ…
あぁ…この人マジで難しい…

たまに、お客さんとコミュニケーション取って
声聞いてお店に役立ててるけど…
今日は声聞けなそうだな…)