10話＊花火大会＊


森川 純:ふぅ…
よしっ！


若月佑美:森川くん？


森川 純:あ、若月！


若月佑美:何してるの？
誰に用事？


森川 純:あっ、えーと…白石に…


若月佑美:気持ち決まったんだね！


森川 純:うん…
俺はもう逃げない！


若月佑美:カッコいいじゃん！

ちょっと待ってて！


まいやーん！
お客さんだよー！
森川くん来てるよ！


白石麻衣:えっ…純くん…


(白石と目が合った、手を振ってみた…)


白石麻衣:純くん…


森川 純:話すの久しぶりだな！笑

あのさ…放課後時間ある？


白石麻衣:…うん…


森川 純:じゃあ、裏の公園で待ってるね


白石麻衣:…うん…


(白石…なんか元気ない…
具合でも悪いのかな…
まだ俺と話すの気まずいのかな…

急に自信なくなってきた…)


キーンコーンカーンコーン


森川 純(白石…遅いな…
どうしたのかな…

…白石が走ってやってきた…)


白石麻衣:…はぁ…はぁ…はぁ…
純くん、ごめん…
遅くなって…
急に先生に呼び出されちゃって…


森川 純:大丈夫！？

そんな汗だくになって来なくても…
連絡してくれれば良かったのに…

俺のためにごめん…


白石麻衣:ううん…
早く純くんのところに来たくて…


森川 純:ありがとう…


白石麻衣:…それで…話って何…？


森川 純:あぁ、うん…
あの…さ…

これ、良かったら俺と見てくれない…？


白石麻衣:えっ…
花火大会？


森川 純:うん…
その…友達としてじゃなくて…
俺の彼女として…
一緒に見てほしい…


白石麻衣:…


森川 純:ダメかな…


白石麻衣:…ダメじゃない…
すごく嬉しい…
けど…


森川 純:…もしかして…
七瀬のこと気にしてる…？


白石麻衣:…

(白石は首を縦に振った…)


森川 純:なんで…
そんなに気にしてるの…？


白石麻衣:…2人とも…失いたくないから…


(俺は白石から過去のことを全て聞いた…
好きな人と親友…2人とも失ってしまったこと
好きな人が出来ても、ずっと我慢をしていたこと…)


森川 純:…

俺と七瀬は大丈夫だよ
もう、決着ついてるから

七瀬に告白されたんだけど
ちゃんと白石が好きだって伝えて来た…

俺はそいつとは違う…
ちゃんと一人一人と向き合ってるよ

俺も七瀬もずっと白石のそばにいる…


白石麻衣:…

(白石の目から涙が溢れていた)


森川 純:泣くな…泣くな！


白石麻衣:…純くんが…泣かすから…


森川 純:俺のせいっ！


白石麻衣:…ありがとう…

私…純くんの彼女になる…


森川 純:えっ！？
本当！？！？

良いの！！！


白石麻衣:うん、私も純くんが好き…

正直言うとね
今日まで気持ち抑えてるの…
すっごい辛かった…


(俺は、白石の頭をポンポンと撫でた)

森川 純:もうこれからは気持ちを抑えなくて良いからな…

俺にぶつけてこいっ！笑


白石麻衣:うん！


(今日は俺の人生の中で、1番幸せな日になった…)