お久しぶりです、さあ殺せ。
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僕が宿儺の元に来てから何十年と経った。他の下人はいなくなるか死ぬかでほとんどいなくなり、宿儺も少し歳をとった。
僕だけが変わらない、何も。
「思ったより宿儺って怖くないよね」
こんなちっぽけな人間すら殺せないし。と続けたら手刀で首をはねられた。地に落ちた顔への衝撃が痛い。
「オマエが死なぬのが悪い」
「呪いの王だなんて大層な名前つけられてるのに殺せないのが悪い」
頭をくっつけようとしたら叩かれて、頭は再び地に落ちた。血が流れ続けるから止めて欲しい。
漸く頭をくっつけて宿儺を見る。彼は面倒そうな顔をしていたが。
「宿儺」
その先の言葉が出てこない。伝えたいことがあるのに上手く表現できないのだ。
言葉に詰まった僕を怪訝そうに見ている。こういう時、どう言えば良いんだっけ。
「……もし、宿儺が居なくなっても待ってるから。また探しに行くよ」
「しつこい、やめろ」
「約束ね」
「その前にオマエが死んでることを願う」
「酷い」
そんなことを話したある日。
宿儺が指に魂を分けて、居なくなる前の話。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「……受肉した」
千年以上経っても分かる宿儺の呪力。恐らく北の方で甦ったようだ。
早速会いに行こうかどうしようか。もしかしたら人が多く集まる中心に来るかもしれない。それとも。
「……まあ、明日考えようか」
「ヒィッ!?なんで、お前、生きて……!」
恐らくは最近テレビを賑わせている連続強盗殺人犯であろう男が悲鳴を上げた。呪力のこもらない、拙い殺しじゃあ僕はこれっぽっちも堪えやしないから。
頭をカチ割られて死んだはずの僕がゆらりと立ち上がると、男は腰が抜けたようで地面に座り込んだ。情けない。
「なんで、殺す側が、殺されないって、思っているの?」
散々罪なき人を殺してきた罰はいつか下されるものだ。
ショルダーバッグから指紋を付けないようにするための手袋を取り出して身に付けると、男が持っていた凶器を取り上げた。
「お、おい、待て……なにをするつもりだ」
「この状況で分かんない?頭が悪いからこういうことするんだね」
じゃあ、来世では頭の出来が良くなるといいね。と凶器を振り上げる。
男の悲鳴が響く。しかし、思い切り振り下ろされた凶器は男のすぐ横に叩きつけられた。わざとだ。
「冗談だよ、殺す価値もない……けど、この服気に入ってたのに。血塗れだよ」
凶器から手を離し、男の財布から代えの服を購入する代金を抜き取る。これだけで済んだのだから安いと思うが良い。
「はぁ……とりあえず、血を落とさないと。買い物にも行けないや」
嗚呼、早く宿儺に会いたいな。
夜の静寂を裂くように遠くからパトカーのサイレンが聞こえてくる。湊はその場を立ち去った。
僕だけが変わらない、何も。
「思ったより宿儺って怖くないよね」
こんなちっぽけな人間すら殺せないし。と続けたら手刀で首をはねられた。地に落ちた顔への衝撃が痛い。
「オマエが死なぬのが悪い」
「呪いの王だなんて大層な名前つけられてるのに殺せないのが悪い」
頭をくっつけようとしたら叩かれて、頭は再び地に落ちた。血が流れ続けるから止めて欲しい。
漸く頭をくっつけて宿儺を見る。彼は面倒そうな顔をしていたが。
「宿儺」
その先の言葉が出てこない。伝えたいことがあるのに上手く表現できないのだ。
言葉に詰まった僕を怪訝そうに見ている。こういう時、どう言えば良いんだっけ。
「……もし、宿儺が居なくなっても待ってるから。また探しに行くよ」
「しつこい、やめろ」
「約束ね」
「その前にオマエが死んでることを願う」
「酷い」
そんなことを話したある日。
宿儺が指に魂を分けて、居なくなる前の話。
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「……受肉した」
千年以上経っても分かる宿儺の呪力。恐らく北の方で甦ったようだ。
早速会いに行こうかどうしようか。もしかしたら人が多く集まる中心に来るかもしれない。それとも。
「……まあ、明日考えようか」
「ヒィッ!?なんで、お前、生きて……!」
恐らくは最近テレビを賑わせている連続強盗殺人犯であろう男が悲鳴を上げた。呪力のこもらない、拙い殺しじゃあ僕はこれっぽっちも堪えやしないから。
頭をカチ割られて死んだはずの僕がゆらりと立ち上がると、男は腰が抜けたようで地面に座り込んだ。情けない。
「なんで、殺す側が、殺されないって、思っているの?」
散々罪なき人を殺してきた罰はいつか下されるものだ。
ショルダーバッグから指紋を付けないようにするための手袋を取り出して身に付けると、男が持っていた凶器を取り上げた。
「お、おい、待て……なにをするつもりだ」
「この状況で分かんない?頭が悪いからこういうことするんだね」
じゃあ、来世では頭の出来が良くなるといいね。と凶器を振り上げる。
男の悲鳴が響く。しかし、思い切り振り下ろされた凶器は男のすぐ横に叩きつけられた。わざとだ。
「冗談だよ、殺す価値もない……けど、この服気に入ってたのに。血塗れだよ」
凶器から手を離し、男の財布から代えの服を購入する代金を抜き取る。これだけで済んだのだから安いと思うが良い。
「はぁ……とりあえず、血を落とさないと。買い物にも行けないや」
嗚呼、早く宿儺に会いたいな。
夜の静寂を裂くように遠くからパトカーのサイレンが聞こえてくる。湊はその場を立ち去った。
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