ジョルノ
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※r18表現有ります
希に聞こえるどちらが出しているのかわからない吐息、時々耳に入る厭らしい水音、唇に感じる柔らかな感触、口内で動く少しざらつきのある感覚。
さっきは許してしまったけどやっぱりこんなの絶対駄目、と拒まなくちゃあいけないのに、瞳をほんのり揺らしてまないで、と懇願してきたジョルノの顔が過って言い出せず仕舞い。
薄目を開けてみてみると、その子犬のようなジョルノの面影は何処にもない。あるのは獲物を見定めた狼みたいに目をギラギラとさせた男らしいジョルノの姿。
胸が締め付けられて、少し苦しい、頭が上手く働かない、息も上手くできなくなってきた。
そんな私の姿を察してか、ジョルノは名残惜しそうにリップ音を立てて唇を離した。
息を大きく乱す私に対して、ジョルノはそうでもなさそう。でも、少し動いている肩に、少しだけ安心した。
「やっぱり止めよう、なんて思ってないですよね。」
その安心も束の間。
核心をつくような言葉を吐かれてしまった私はどう返すこともできず、ただ目の縁に溜まる生理的な涙を溢しながらジョルノを見詰める事しかできなかった。
「今更後戻りなんて出来ないんです…そんな無駄なこと、考えないでください。」
耳元で囁かれる優しい声色とは反対の言葉に少しばかり肩を震わす。
「僕を見て、僕だけの事を考えてください…なまえ、今はそういう時間なんだ。」
そんな欲望を剥き出したジョルノは服の上からやんわりと私の胸に触れ、そのまま柔らかさを確認するように手を器用に動かした。
「んっ…ジョ、ジョルノ…」
「なまえ…」
なんだか良くわからないままでいると、服の上からでは飽きたらなかったらしいジョルノが服の隙間に手を伸ばし直接胸に触れた。
「やっ…あ、…っ」
自然と声が出てしまう。
普段の声より数段甘い声色に私はなんだか自分ではないような気がしてならなかった。
ジョルノはそんな私の声をもっと聞きたいと言わんばかりに服をたくしあげてはその頂を片方では指で弄りながら、もう片方は咥え、舌で転がしたりして刺激を与えてくる。
「あっ…ジョルノ…っ、んんっ…ぁ」
先程よりも強い刺激に、身を捩る。
どう頑張っても抑えられない甘い声に、気が変になってしまいそうで溜まらなかった。
けど、もっと触れてほしいなんてはしたない考えが脳内を埋め尽くしてしまい、そういう細かい考えは全て何処かへ置き去りにされた。
「んぅっ…っ、」
口に含まれて、すっかり固くなったそれを甘噛をされると、ピリッとした甘い電流が背筋を駆け巡った。
「あっ…」
軽く身体が仰け反ると、ジョルノは満足げに微笑んで唇をそれから離した。
私は何気無く残念な気持ちになりつつも胸から下へと移動していく手に身を任せる事にした。
そして、その手は下着の上からでもわかる割れ目を指で優しくなぞった。
さっきとはまた少し違った快感に身体が震える。
「一人でこういうことのをしたことあるんですか?」
「ひ、一人で…?」
突然の質問に驚く私を横目に、ジョルノは遠慮なく下着の中に手を入れて、直接そこへ振れる。
その滑り具合から、相当濡れてしまっているのがわかった。
「ぁ…っな、ない…」
「へぇ…」
ふるふると首を横に振ると何やら感慨深そうに目を伏せた。
「じゃあ少し痛いかもしれないですね」
痛くしないでって約束だったのに、と口を開こうとしたが、頑なに入ろうとしなかった指が中にゆっくりと入れられてしまい何とも言えない感覚に言葉が出なかった。
「ひあっ、ジョルノ…」
情けなく甘い声を出して名前を呼ぶ私を気遣ってくれたのかジョルノはもう片方の手で優しく頭を撫でた。
「痛かったら言ってください…止められるかはわからないけれど。」
「んんっ、あっ…っそれ、やだ…っ」
入れた指が中で四方八方を刺激するように動き始め、その部分がある場所に当たると今まで以上の快感が押し寄せた。
「嫌じゃないでしょう、なまえ…すごく喜んでるじゃあないか」
恥ずかしい言葉をかけられ、顔が熱くなるのを感じる。
でもどうしてもその事を認めたくなくてそれ以上は言わないでおくと、指の動きがより激しくなり刺激も大きくなっていった。
「あっ…いやっ、ジョルノっ、あぁっ…」
甲高い声をあげた私は身体を大きく仰け反り、そして頭は真っ白になった。
私はとんでもない脱力感に襲われた。
肩を揺らして息をする私に、ジョルノは優しく額に口付けを落とした。
「痛みはありませんでしたか?」
「痛くはなかった…」
「気持ち良かったですか?」
優しい笑顔を浮かべている癖に、わざわざ分かりきってる事を聞くなんてとんでもなく意地悪だと思う。
けれどしつこく聞かれるのも癪なので素直に頷いてやればジョルノは「良かった」と言葉を溢した。
「なまえ…」
切ない声色に身体が疼く。
ジョルノは着ていた服を脱ぎ捨てると、固く反りたったそれを、愛液を絡ませるように擦り付けた。
「さっきも言ったが…嫌と言われても止められないかもしれないです」
最後の忠告のように言ってくるジョルノ。
逃げ道は無いよ、そう言われているように感じて少し恐怖を覚える。
「うん…でも、…ジョルノが、手を握ってくれるなら…きっと大丈夫。」
「…そんな可愛いこと、余裕のない僕に言わないでください…」
心底恨めしそうな言葉に私は少し笑った。
ジョルノはそんな私を不服そうに見詰めながらも私の手をしっかりと握り、ゆっくりと腰を進めていく。
「あぅ…っ」
慣れない下半部の異物感に、握る手の力と締め付ける力が自然に強くなる。
「なまえ…っ」
きつくて進まないのか、腰の動きが止まると優しく髪を鋤きながらジョルノは顔を近付け、深い口付けを私に送った。
どうしてこうも好きな相手から送られるキスは良い気持ちになるんだろう、なんて贅沢な悩みを心に宿らせると、リラックスをしてか力が抜け、ジョルノはそれを見計らってそのまま腰を一気に進めた。
「んっ…っは、入った…?」
「ええ、なまえ…」
私はとりあえずほっ、と一安心したが、ジョルノはゆっくりと腰を動かし始めた。
「すみません…なまえ…もう我慢できないです」
「え…?ジョルノ…?まっ…あっ…」
ジョルノはその言葉で何かが切れたように腰を打ち付け始めた。
初めての私は、若干の痛みを感じなんとか止めさせようと本能的にジョルノの身体を握っていない方の手で押すが結局はそちらの手も握られてしまい、どうすることもできなかった。
「今までずっと…ずっと我慢してたんだ…なまえ…っ」
「ジョルノっ…だめ、ひぁ、ぁっ…だめっ…」
「なまえ、こんな性急な僕を…っ許してとは言わない、けれど、愛してほしい…っ」
がつがつ、とお構いなしに押し寄せる刺激が、徐々に快感に変わっていく。
私はもう何も考えられなかった。
ただジョルノの言葉を聞いて、ジョルノからの快感を受け入れて、なすがままされるがままになっていた。
「ジョルノ…っすき、すき、あいしてる…っあいしてるからぁ…っ」
拙い滑舌と思考回路で出てくるのはそれに伴った愛の言葉だけだった。
けれどジョルノはそれが嬉しかったらしく私に口付けを送る。
「なまえっ…ありがとう、そろそろイきそうだ…っ」
「いいよ、イって…っあっ、あっ…」
ジョルノの腰の動きが今まで以上のものになると、私は耐えきれない気持ちの良さに押し潰されて達すると、その反動でジョルノも限界が見えたのか、慌ててそれを抜いて、私のお腹に欲を吐き出した。
ジョルノはそのまま私の隣へ寝そべり、私をそっと抱き締め、額や唇に軽い口付けをした。
こんな風に甘い空間を贈れるのも、きっとジョルノが自身の欲望を曝け出してくれたから。
そう思うと、私の片想いじゃなかったんだ、って、凄く幸せな気持ちになった。
「ふふ、途中ちょっと怖かったけど、ジョルノとこういうことできて良かったわ。」
「嗚呼…怖がらせてしまったのは…申し訳ないけど、ずっと夢に見てきた事なんだ。がっつくのだって仕方の無い事だとは思いませんか?」
抱き締める力を強めてなんだか子供みたく拗ねた表情を見せるジョルノが可愛くて、頬を優しく撫でた。
「なら、もっと前からそういうことを言ってくれれば良いのに」
「…自信が持てなかったのと、地位を気にしすぎていた。その事に関しては言い訳できないです…。」
今まで見たことのないくらいしょんぼりとするジョルノの愛くるしさに、私は胸が締め付けられたが、「でも」と突如、愛くるしさとは正反対の男気を孕んだ顔つきになった。
「約束は必ず果たす。待っていてくれますね?」
ついさっきした私の元へ来るという約束。
それまでの思い出が色濃く焼き付きすぎて、なんだか昔の事みたい。
そんな感傷に浸りつつも私は頷いた。
「勿論、何日だって、何年だって。いつまでも待つわ。ジョルノ。」
私の意思を伝えると、ジョルノは目尻を下げて笑い、今一度愛を確かめるように唇を重ねた。
そして、いつの間にか夜が開け、カーテンからの漏れた日の光で目覚めると、ジョルノはいなかった。
着替えて、いろんな場所を探して、いろんな人に行方を聞いたけれど、彼は証拠一つ残さずにたった一夜で何処かへと姿を眩ました。
もしかしたらあの甘い出来事は夢だったのかも、と錯乱してしまうが、そんなことはないと自分に言い聞かせる。
ジョルノは必ず、私を迎えに来てくれると。
それからは、奇妙な事、というよりも都合が良い事が起こるようになった。
私はあの宝石店の主と結婚した。
最初こそ反対を押しきれなかった不本意な結婚だった。
しかし、婚約をする前、二人きりでのお見合いの時、宝石店の主は私にこっそり言った。
「君は僕を好きじゃあないんだろう?僕もなんだよ。最近ね、なんだかおかしいんだよ…引かないでほしいんだが…女の人よりも…男の人に興味、というか男の人にしか性的興奮を覚えないんだ。でもこの御時世、異性との結婚を強請させられるのが風潮だ。だから、取引をしよう。」
取引?と首を傾げる私に宝石店の主は頷いた。
「仮面夫婦になろう。条件はどちらともお互いの事に干渉せず、いわゆる夫婦らしい事もしない。どうだい?」
世間からすればとんでもない条件だが、この奇妙な関係は私達にとってはこれ以上の事はない好都合のものだった。
「ええ、良いわよ。そうしましょう。ただ、いつかはわからないけれど、私は貴方の元を離れるわ。それでも良い?」
「嗚呼、そっちのが好都合だ。僕は良い嫁を貰ったなあ。」
「ふふ、私も良い旦那を貰ったって思うわ。」
結婚生活は順調だった。
凄く幸せだったと思う。
彼のお店は言わずもがな儲かっていたし、彼は私をそういう目で見ず、"良い同居人"としか見なかったから、凄く居心地が良かった。
しかし、3年の月日が経った今、宝石店の主は命を絶ってしまった。
彼は、愛人と共に心中をした。
私は同情の目で見られた。
どうやら、"旦那に利用された可哀想な若妻"と巷では言われているらしい。
正直気分は良くない、だって皆が噂するような人ではない、凄くいい人だったし、凄く悲しい。
でもその反面、ジョルノとの婚約ができるかもという期待を抱いてしまう最低な私がいた。
風の便りで聞いたことなのだけど、ジョルノは使用人を止めた後、人間離れした知識で高い位へと登り詰めたらしい。
だからそんな期待を抱いてしまった。
…ごめんね、こんな私で。
お墓の前で一礼をしてから立ち上がると、「お悔やみ申し上げます。」と背後から聞き覚えのある声が聞こえた。
勢い良く振り替えると、そこには耽美でミステリアスな青年が立っていた。
視界が揺らぐ。
「ジョルノ…?」
「僕の事ちゃんと覚えていてくれたんですね。」
「当たり前じゃない…」
私は呆気なく溜まった涙を流し、ずっと待ち望んでいた愛する人に抱き着いた。
「すみません、待たせてしまって…。」
ジョルノは私の背へ手を回し、きつく抱き締め返してくれた。
「もう絶対に離したりなんてしません。何処にも行かないし、行かせない。」
やっと出逢えた愛する人の独占欲に、嬉しくて仕方無い。
「だから、なまえ」
ジョルノは私の瞳を見詰めながら跪くと、左の手を取り指輪をちらつかせる。
やっとこの日が来てくれた。
「僕と、結婚してくれませんか。」
プロポーズの決まり文句を聞いた私は、本能的になのか涙が止まらなかった。
幾分かして、やっと落ち着いてから私はしっかりと頷きプロポーズの返事をした。
私の愛する人と、愛すべきだった今はいない人に、心からの感謝を。
そして、永遠の愛を私達は誓った。
Fin.