ジョルノ
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※恥パ後、モブ運転手出て、この回では夢主は出ないです
真夜中、閑静な街を一つの車が走り抜ける。
いかにも慎重で、閑静な街に則った様に至って静かに。
周りには他に走っている車など存在しないし、もっとかっ飛ばしてもいいんじゃあないか、ヤジがいればそんな声も聞こえただろうが、今、車の中に居るのは一人の運転手と酷く美しい顔をした少年のみ。
運転手を急かす存在は居ない。
少年は眠たげに一定のスピードで変わりゆく景色を窓越しに見詰めていた。
それにも飽きたのか、一つ息を吐くと、運転手の後ろ姿を見詰める。すると、まるで見計らったように信号は点滅し、それに従って車はゆっくり停止した。
前述通り誰も居ないのだからそんな機械無視すればいいのに――――しかし運転手は真面目だった。
「君は、プロポーズをする時どんなことを言った?」
「はあ、いきなりどうしたんです?」
突然の問いに運転手は間抜けな声を出した。
そりゃあ、今まで会話まで無かったのに加えてやっと発せられた言葉が"ギャングのボス"という肩書があり、いつも威厳がある少年には似つかわしくない色恋沙汰の問題だったもんだから、仕様がないと言えば仕様がないのだが。
「質問を質問で返さないで。答えなくても良い事を聞くのは無駄な事なんだ。無駄な事を嫌うのは君もご存じの筈だろう…」
全く、と言わんばかりに溜息を零す。
理不尽ともとれる反応に運転手は肩を竦め、慣れた様子で軽く謝罪の言葉を述べれば信号機をしっかり確認してからアクセルを踏んだ。
「そうですねえ、あんまり諄い事は言ってないですよ、シンプルに"結婚してください。"これで終わりです。なあんも変わったことはしちゃあいません。」
「そうか…僕なりに調べたんだが、イタリアーノってのは意外とその辺は甘くないよね、不思議だ。」
「真剣なんですよ、皆、この瞬間はきっと一生に一度なんだから。」
「へえ…君らしいね。」
興味を失ったのか、それとももう回答が出たからそれでいいのか、少年は再び視線を窓へと移したのだが、先程まで表情に張り付いていた眠気なんてモノは無くなっていた。
寧ろ緊張すら覚えているような、そんな表情だった。
「今からプロポーズでもするんです?」
そんな姿を鏡越しに見ていた運転手はほんの気まぐれでそんな事を尋ねた。
少年は少し瞳を揺らがせた。
「…君に対してじゃあない。」
「ははは、ジョルノ様もそんなご冗談を言う方だったんですねえ。」
下手くそな誤魔化し方に運転手は目を細めて笑った。
何度でも聞き直す事はできたが、それはなんだが野暮な気がして運転手は自分のやるべき事に集中をすることにした。
―――速度は、幾らか上がった様に感じた。
「ありがとう。ご苦労だった。」
車が一つの家の前で停まると、少年は上着を羽織りながら御礼を述べた。
「いえいえ、頑張ってくださいね、ジョルノ様。私めは細やかながら応援していますよ。」
「…嗚呼、その事についても、ありがとう…。」
少年は少しきょとん、とおどけた表情を見せた後、今度は明確に恥じらった様子で目を伏せると、再び運転手に対して御礼を述べた。
運転手はこの時、初めてこの少年の少年らしい青い一面を見たな、と思った。
なんだか新鮮な気持ちを抱えながら、一礼をして運転手はその場を去った。
少年の健闘を祈って。
真夜中、閑静な街を一つの車が走り抜ける。
いかにも慎重で、閑静な街に則った様に至って静かに。
周りには他に走っている車など存在しないし、もっとかっ飛ばしてもいいんじゃあないか、ヤジがいればそんな声も聞こえただろうが、今、車の中に居るのは一人の運転手と酷く美しい顔をした少年のみ。
運転手を急かす存在は居ない。
少年は眠たげに一定のスピードで変わりゆく景色を窓越しに見詰めていた。
それにも飽きたのか、一つ息を吐くと、運転手の後ろ姿を見詰める。すると、まるで見計らったように信号は点滅し、それに従って車はゆっくり停止した。
前述通り誰も居ないのだからそんな機械無視すればいいのに――――しかし運転手は真面目だった。
「君は、プロポーズをする時どんなことを言った?」
「はあ、いきなりどうしたんです?」
突然の問いに運転手は間抜けな声を出した。
そりゃあ、今まで会話まで無かったのに加えてやっと発せられた言葉が"ギャングのボス"という肩書があり、いつも威厳がある少年には似つかわしくない色恋沙汰の問題だったもんだから、仕様がないと言えば仕様がないのだが。
「質問を質問で返さないで。答えなくても良い事を聞くのは無駄な事なんだ。無駄な事を嫌うのは君もご存じの筈だろう…」
全く、と言わんばかりに溜息を零す。
理不尽ともとれる反応に運転手は肩を竦め、慣れた様子で軽く謝罪の言葉を述べれば信号機をしっかり確認してからアクセルを踏んだ。
「そうですねえ、あんまり諄い事は言ってないですよ、シンプルに"結婚してください。"これで終わりです。なあんも変わったことはしちゃあいません。」
「そうか…僕なりに調べたんだが、イタリアーノってのは意外とその辺は甘くないよね、不思議だ。」
「真剣なんですよ、皆、この瞬間はきっと一生に一度なんだから。」
「へえ…君らしいね。」
興味を失ったのか、それとももう回答が出たからそれでいいのか、少年は再び視線を窓へと移したのだが、先程まで表情に張り付いていた眠気なんてモノは無くなっていた。
寧ろ緊張すら覚えているような、そんな表情だった。
「今からプロポーズでもするんです?」
そんな姿を鏡越しに見ていた運転手はほんの気まぐれでそんな事を尋ねた。
少年は少し瞳を揺らがせた。
「…君に対してじゃあない。」
「ははは、ジョルノ様もそんなご冗談を言う方だったんですねえ。」
下手くそな誤魔化し方に運転手は目を細めて笑った。
何度でも聞き直す事はできたが、それはなんだが野暮な気がして運転手は自分のやるべき事に集中をすることにした。
―――速度は、幾らか上がった様に感じた。
「ありがとう。ご苦労だった。」
車が一つの家の前で停まると、少年は上着を羽織りながら御礼を述べた。
「いえいえ、頑張ってくださいね、ジョルノ様。私めは細やかながら応援していますよ。」
「…嗚呼、その事についても、ありがとう…。」
少年は少しきょとん、とおどけた表情を見せた後、今度は明確に恥じらった様子で目を伏せると、再び運転手に対して御礼を述べた。
運転手はこの時、初めてこの少年の少年らしい青い一面を見たな、と思った。
なんだか新鮮な気持ちを抱えながら、一礼をして運転手はその場を去った。
少年の健闘を祈って。
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