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舐めて、溶かして。
キッドとミアの交合いは、いつもムードも何も無く突然始まる。ベッド、ソファー、時には立ったまま。島ではたまにホテルを取って、「泡風呂に入りたい」という彼女の要求を満たしつつ、性欲も満たしたり。夜に限らず、朝起きてすることもあれば、2週間近く、キスもしない時もある。
生まれたままの姿を見せ合う2人の間に、恥ずかしさや遠慮など存在せず、欲望のままに求め合う。獣のようなそれに、美しさなどないかもしれないが、それが2人の愛し合い方だ。
今、あぐらをかいてベッドに座るキッドの目の前には、赤黒く反り立つ欲棒に舌を這わすミアがいて、そのいやらしい光景と、自然と高まってゆく興奮に、彼の息は先程から乱れている。
ミアは、ギャングであった頃、オーラルセックスを無理矢理覚えさせられた事もあり、それが得意になってしまった。自身の胎内を使わずに口内で男を喜ばす技を身につけた彼女は、身体を暴かれたくないがために、必死で当時のボスの欲棒を舐めていたらしい。そのせいで行為中に舐めるのがクセになってしまったミアは、キッドとの交合いでもこうして、口での愛撫をついついしてしまうのだった。
ミアからのオーラルセックスを受けているキッドの欲棒は、ほんの数分前、彼女の中に欲を吐き出したばかりで、1度目の絶頂を迎えた彼に、ミアが
「キッドの……舐めたい。最近、、舐めてない…ダメかなぁ…?」
と物欲しそうな瞳でキッドに訴えかけたので、彼は嬉しさと苛立ちが混ざった、複雑な気持ちを抱きつつ、ミアの好きなようにさせている。
「ミア、、離せ…」
キッドは、いつもより荒い呼吸と共に彼女の名を呼ぶと、ミアの肩に手を置いて力を込める。しかし彼女は男根への愛撫を止めない。部屋に、よだれと彼の我慢汁が合わさった卑猥な水音が響き、それが2人の頭を犯してゆく。
キッドは「離せ」と言うが、口の中で素直に大きくなっていくキッドの欲棒は、もっと欲しそうに、ダラダラと汗をかいている。彼女がソレに舌を絡めつつ、手を上下に優しく動かせば、ミアは自身の肩に置かれたキッドの手に力が加わるのを感じた。
「おい、ッミア……」
続く言葉は、彼女が喉の奥まで彼の欲棒を迎え入れたため言えなかった。口を閉ざしていなければ、らしくない声が今にも出てしまいそうで、キッドは、筋肉質な足と足の間で小刻みに動く彼女の頭をぐしゃぐしゃに撫でる事しかできない。
ミアはというと、自身の口内で彼が気持ちよくなっていることが嬉しくて、膣壁が彼に絡みつくかのように、口や舌を動かした。もちろん、自身の胎内がどうやって、キッドをいつも快楽へと導いているのかなど知らないが、彼女はソレを何となくで想像しながら、口と手を使っての愛撫を止めない。口いっぱいに広がった苦い香りや、男臭さ、部屋に響くいやらしい音が彼女の頭を満たす中、喉によりいっそう力を加えれば、口の中でキッドの欲望が、ビクリと大きくなると、彼が彼女の髪を力強く鷲掴み、そこから無理矢理ミアの顔を離した。己の欲は彼女の中で出したいというのが、彼の譲れぬ要求だ。
「キッド、、ちゃんと…気持ちよかった…?」
彼の顔を見ながら、ミアはそう言った。キッドは不規則な呼吸を繰り返しており、垂れた赤い前髪の隙間から感じる熱い瞳や汗ばんだ肌は、官能的だ。
「ミア…」
彼は彼女の名を呼ぶと、己の我慢汁で汚した彼女の口を強引に拭い、噛み付くようなキスを落とした。キッドの大きな唇に、女の唇は飲まれ、溶かされてゆく。彼が分厚い舌で、ミアの薄い唇を舐めれば、彼女はゆっくりそこを開けて舌を出す。キッドはそうする事が当たり前かのように、彼女の自身より小さな舌を絡めると、強く、強く、ミアをかき抱いた。
角度を変え、何度も何度も落とされる濃厚なキスに、彼女の身体は再び熱くなる。彼の背中に回っていた腕を首筋へと動かせば、ドクドクと鳴る脈の音が指先に伝わり、これから訪れる快感を知り尽くした女の身体と心が、痺れてゆく。
キッドは、欲しいと言わんばかりに腰を揺らす女の、その豊満な胸に指を落とし、ピンと張った頂きを親指と人差し指の腹で優しくつねる。そうすれば、彼女は大きく身体を震わせつつ、甘い吐息を漏らした。
「ん…キッド、、気持ちぃ…」
彼女は胸を突き出すように背中をそらし、愛撫を止めない彼の手に、自身の手を重ねる。キッドが触れる所はどこもかしこも気持ちよくて、ミアは今すぐに、身体の奥を暴いて欲しくなってしまう。そのため腰を動かしてしまうのだが、艶めかしく動く彼女の腰使いは男を誘惑させるには十分で、そして、それがキッドの怒りを買っていることなど、無意識下の動きをしている女には分かるはずもなく。
キッドは軽く舌打ちをすると、胸の愛撫を辞めてそこに唇を落とす。淡い空気に包まれていた空間に、彼が出した怒りの音は似合わなくて、ミアは快楽に溺れた頭の隅で、彼の様子を少し不思議に感じたが、キッドが飴玉を転がすように、彼女の胸の頂きに舌を絡めたため、その気持ちは直ぐに消えていってしまった。
「ぁん、、!ふぅ…ッンん…!!」
女の身体が痺れ、足先までビリビリとした感覚が走ってゆく。まるで赤子のように彼女の尖りに吸い付くキッドの頭をかき抱けば、彼はもう片方の頂きを指の腹で愛撫し始めた。それぞれに与えられる快感故に、右も左も上も下も、何もかもが分からなくなってしまいそうになった時、キッドが硬くなった尖りに舌を這わすのを辞めると、そこに軽く歯を立てた。彼女は、それにもどかしさを感じつつ、自身の胸の中にいる彼を見下ろす。すると、キッドは彼女の頂きに強く歯を立て、指を落としていた方の尖りを、潰れてしまうのではないかと思われるほど、キツくつねり始めた。
「っ、、!?キッド……!!痛く、、しちゃ、ヤダぁ…!やめ…て、、!お願……い!!」
心地良さから一転して、痛みしか感じぬ愛撫に、女は身体をひねらせて、彼から退こうとする。しかし、筋肉質かつ大柄なキッドから逃げることなどできず、ミアは彼から与えられる痛みに耐えるしかない。
「キッド…!キッド!!やっ、、やぁ…!」
赤い髪を強く掴み、もう片方の手でキッドの肩を精一杯押し返す。彼女が力を加えれば加えるほど、キッドが歯に力を込めるため、痛みは増していく。先程まであった優しさはそこにはなくて、女の瞳に涙が浮かび、「やめて」と叫ぶ声も震えた。その弱々しい響きを耳に入れたキッドは、歯を立てるのを辞めると、痛めつけていた胸の頂きを優しく舐めた後、キスをする。痛みの後に与えられた快感に、ミアはおかしくなってしまいそうで、キッドから身体を遠ざけようと再び身体をくねらすが、もちろんそれは、無駄な努力だった。
「ミア、暴れるんじゃねェ」
「じゃあ、、痛く…っしないで……」
ミアは、キッドがいったい何を思っているのか分からず、それが苦しくて、瞳に溜まった涙が一筋、零れ落ちる。それを拭おうと顔を手で覆えば、キッドが彼女の胸から顔を上げて言葉を発した。
「ガキ臭ェな…」
「……誰が?」
涙を拭き終えたミアが、鼻をすすりながら彼を見れば、そこにいるのはいつものような、凶悪な顔つきをしたキッド。しかしそれは表からしか見えぬ事で、彼が本当はマイナスな気持ちに襲われている事など、彼女にはお見通しだ。しかし、なぜ急に、そうなってしまったのかまでは分からない。
「キッド……?」
彼の名を呟きながら、何度か瞬きをして不思議そうに顔を傾けると、彼の頬に軽いキスを落とす。
キッドは、彼女が海賊になる前にいたギャング集団に対して少しだけ腹が立った、等と言う子供っぽい怒りを抱いた自身に「ガキ臭ぇ」と思った。しかしそれを言ってしまえば、ミアが悲しそうな表情を浮かべる事など分かりきった事で。代わりに彼は、自身の頬にキスを落とす彼女から少し離れると、ミアの唇を甘く噛んだ。
「お前がに決まってんだろ、馬鹿」
「ンフフ、馬鹿って言う方が馬鹿なんだよ」
「うるせェ」
そう言い捨てて、ドロドロに溶けた蜜口にあてがえば、待ちきれない彼女のそこが、キッドの高鳴りに吸い付く。そのまま腰を進ませると、ミアの唇からは、「ふ…っ、、ぅ…大っき、い…」と余裕のない声が出てくる。上手く男を扱ったり、生娘のような反応を見せたりと、キッドを惑わす彼女に、彼の身体と心は痺れてゆく。眉間に少しだけ皺を寄せる女は、肩で息をしており、苦しそうに思えるのだが、硬く大きな彼の欲棒をズブズブと飲み込んでゆく彼女の胎内は、奥へ奥へと進める度にうねりを伴って絡みついてきた。
「…っ、、動くぞ」
「ん…っきて、、いっぱい、いっぱい…きて…」
そう言って、女は彼に抱きつく。2人の間には隙間など存在せず、彼は彼女と無茶苦茶なキスを交わしながら律動を始めた。歯が当たる程のめちゃくちゃな口付けと、強く身体を穿いてゆく彼の欲。女はそれが心地よくて、キスの合間に何度も彼の名を呼んだ。―――卑猥な水音と、激しい摩擦音、男と女の余裕のない息遣い。全てが合わさり、広い船長室に木霊する。
「ッイ……っぅ、、ンん"……!!」
逃れぬ事のできない快感が身体中を駆け巡れば、ミアの身体が硬くなり、足先が丸くなる。頭の中は真っ白で、震えが止まらないのに、身体に力は入らない。キッドの背中に回されていた両腕がポトリとシーツに落ちれば、彼がそこに手を重ね、強く、強く、握りしめた。
「あんっ、、キッド…ッキッ、、ド……!!」
何も考えられない頭で、ミアは夢中になって彼の名前を呼ぶ。キッドは、喘ぎ声と共に吐かれる己の名前を耳に入れながら、絶頂を迎えた彼女の奥の奥を強く突くと、自身の欲で、女の胎内を満たしてゆく。
溶けて、1つになって。
始まりも終わりもない日常は、いつも濃くて。生まれたままの姿を明透に見せる2人に、嘘や偽りは存在しない。迷路のようなこの世界で真っ直ぐ向き合うキッドとミアは、違いに振り回しながら生きていて、それは傍から見れば、本能のままに生きる獣のように思われるのかもしれない。それでもいい。これが2人の愛し合い方だから。
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