澪→レイ
秘密裏(王賁)彩華さんごめんなさいな話
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「王賁!!おはよう!!」
「…声がでかいぞ澪」
そう言いながらも朝の鍛錬をやめ、布で身体の汗を拭きつつこちらへ向かってくる彼は王一族総本家の若君。
私の父は文官として数多の戦での功を成し、食客として匿ってもらえるようになり、早十数年。
食客としてここへ来てから正直私はつまらない日々を送っていたが文官の父の背中を見て育ったからなのか反面教師、という言葉が正しいか分からないけどその真逆でいつからか私は身体を動かしたいという思いが強くなり、思い立ったら吉日という言葉通りそれからというもの、まだ陽が登りきらない薄暗い時刻に起き、そこら辺にある私の背丈ほどの長さの折れた竹を使い、広場で鍛錬してる兵の槍裁きを見様見真似でやってみる。
片足を一歩前に出し、竹を、えい!っと前に一度突き、そして前に出した足をもう片方の足へ揃えるように戻し、次は反対と、交互に繰り返す。
そんな時だった。
私が王賁と砕けた関係になる、事が起きたのは。
「違う」と、突然私の背後から言われる。
振り返った私はそこに居た相手に驚いたが、私の唯一の取り柄でもある人当たりの良さのおかげで今の関係まで持ってこれたのである。
王賁も、身分など関係無く歳も近いのもあり本当の友のように接してくれ、意外と物腰が柔らかいんだななんて思った。
まぁそんなこともあり、王賁と私は幼馴染とは少し違うけど親しい中という感じ。
いつからだっけな
親しい人、友、という感情が恋心に変わったのは
「ねぇ、王賁」
「なんだ?」
そう言い鋭いのにどこか優しい双眸がこちらに向けられる
私はふと気になったことを聞いてみることにした
ほんの興味本位だった
「王賁って、好きな人いるの?」
「……」
眉と眉の間を寄せてその後すぐに私達か一丈程離れた木を見つめる王賁
その表情は何を考えているのかわからない表情であった
「王賁?」
名前を呼び、先程の返事を促す
「…あぁ、いる」
まさか答えてくれるなんて思ってなかったし、更にその答えが私をひどく驚かせた
そんな顔で言われると、それって私の事なのかなって勘違いしちゃうよ
だけどそんな考えはすぐにやめた
だって有り得ないでしょ?
「…そっか」
「…なんだ?人に聞いておいてお前は言わないのか?」
「え?気になる?」
俺が答えたんだからお前も答えるのが筋だろうと多少食い気味に言われる
「あはは、ごめんごめん。…私も好きな人、居るよ」
でも叶わないからって言うと、気持ちを伝えていないのになぜ分かるんだなんて言ってくるけど
それがわかるんだよ、だってあなたなんだもん
なんだか勝手に傷つくなぁ
「もうこの話は終わり!」
そろそろ朝餉の時間だし戻ろう?と言い私が立ち上がると、下の方から「お前が始めた話だろ」なんて怒り気味で言われる
私は心の中でまた明日ね、って呟き邸の中へ戻っていった
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