澪→レイ
余計な事(春申君)
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初夏の生暖かいそよ風が私の頬を撫でて、綺麗に結われた髪の後れ毛を揺らしてくすぐったい
官女さん達が私を仕上げてくれた
普段色気も品も皆無だなんだと宰相様には言われるけど、私だってこんな風に着飾れば、それはそれはもうすごいんだから
――――――――
相手は結構なお家柄らしく、高貴だとか身分がどうたらなんてのは興味が全くないもので、いまいちすごさがよく分からない
なんたって楚国の宰相様の召使いですから
感覚が狂ってるのかも?
「…」
「あ、あの…」
相手方の御仁は腰を下ろすなり一言も話さず私の顔を見つめてる
やっぱり、馬子にも衣装ってかんじなのかな、顔になにかついてるのかな
「っ!し、失敬!あまりにも見目麗しいので見蕩れてしまっておりました」
「あ…ありがとう、ございます」
私の心配は無駄な考えだったようだ
あの宰相様のお傍に長くいたせいか、こんな風に褒められたことが無かったのでぎこちない返事になってしまった
「よければ、外を少し歩きませんか?」
頭の中でごちゃごちゃ考えてる間に御仁から予想外な提案をされる
「ええ、外は風が気持ちいいですので是非参りましょう」
――――――――
「澪…、」
ふと執務が捗るなと思いそういえば、とあのバカが今日はまだ一度も姿を見せていないことに気付く
執務室を出てそこら辺に居る官女を捕まえてバカは何処で怠けていると問えば、執務のし過ぎで頭がぼけたのかと思うような話が返ってくる
「…見合い、だと?」
澪様は宰相様にはご自身でお伝えすると言っておられたのですが、まさか伝えておられなかったとは…と官女は申し訳なさそうに眉を垂らし、困りましたねぇなんて言っている
それを聞いたあとから一言も発さず微動だにしない俺から、失礼しますと拱手をして仕事に戻って行った
俺はあいつから何も聞いてないぞ
なんだ?あいつは、バカなのか?
俺の事舐めてるだろ
俺はさっきの官女から聞いた場所へ足を進めるが、行ってどうするなんざ考えてもない
我ながら軍総司令らしからぬ行動だとは思うが今はそんな事はどうでもいい
あいつは俺から離れない、離れられないと、たかをくくっていたのか?
バカな、あいつだぞ?
俺に隠し事なぞ完全に舐めてるな
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