澪→レイ
高揚感(昌平君)*暴力,死,狂愛,多少のR-15含みます
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ある日の事だった
偶然王宮の外にある茶屋で澪と会ってしまった
会ってしまったという表現は少し間違いではあるが、俺だけが気まずさを感じたが、澪はそんな事も露知らず、幼少期から変わらない屈託のない笑みで「昌平君とここで会うなんて驚いた」と言ってくれたお陰か、こちらもあの光景以前の対応ができた
「お前はよくここにくるのか?」
そう言い、澪の向かいの椅子に腰掛ける
「うん!そうなの。息抜きにね、一人の時間が欲しいなって時によくここに来るんだよね」
一番奥のあまり人目がつかない位置にね、と団子を頬張る
「そうか…今日ここに来たのは何か気に病むことでもあるのか?」
聞かなくてもわかる質問をする
「うーん…今日は特に気に病むこととかは無いけど一人で無になって甘味を食べてお茶を飲んで…って感じかな」
澪は昔から嘘をつくと瞬きの回数が増える傾向がある。分かりやすいヤツだ。
「…家は、上手くいってるのか?」
少しばかり確信めいた問いを投げかけると、分かりやすく、ぴくっと身体を強ばらせる、が、気付かないふりをしてやる
「え、あはは、なんでそんなこと聞くの?上手くいってるに決まってんじゃん」
もー、いきなりそんなこと聞かないでよと言って残りの団子を頬張る
「っ!?ごほっ!ごほっ!」
「おい!大丈夫か!?」
俺は澪の隣へ行き背中を叩いてやる
どうやら一気に残りの団子を頬張ったせいか喉に詰まったらしい
「ん、ありがとう、もう大丈夫」
涙目になりながら茶を喉へ流し込む澪
俺は澪の隣へ行き初めて異変に気づく
「お前…この傷…」
右肩の召し物の下から少しだけ見えた傷だが、かすり傷や多少の傷程度のものでは無かった
澪の召し物を少し捲りその傷に触れようとした刹那
「いやぁ!!!触らないで!!ごめんなさい!ごめんなさい!ごめんなさいごめんなさいごめんなさい…!」
傷に触れようとした瞬間異様なまでの拒絶を示し触れようとした手を思わず引く
「どうした澪…!案ずるな、もう触れない、すまなかった」
そう言いゆっくり近付き大丈夫か?と声をかけ茶を飲ませる
「ごめんね、昌平君…昌平君は何も悪くないから本当にごめんなさい」
目に涙をためながら何度も申し訳ないと言う彼女
「もうよい、気にしていない。それに幼少期からの仲とはいえ俺の行動は迂闊であった。すまない」
謝らないで、と無理に笑顔を作る澪
「…澪」
「なに…?」
「ひとつ聞いてもよいか?」
「…なにかな」
「お前は今幸せなのか?」
「……幸せだよ」
昌平君といる今はすごく幸せ
幸せだよの後の彼女の言葉はあまりにも小さすぎて俺には届かなかった
―――――――
幸せかどうか聞いた俺の問に澪は間を空けて答えた
俺は、彼女をそうさせるあの男が憎くなった
「豹司牙」
「はっ」
そう呼ぶと私室の外で待機してた豹司牙が直ぐに応えた
―――――――――
「主」
「入れ」
「はっ」
「何かわかったのか」
「はっ、澪様の件ですが…」
そこまで言い豹司牙は口篭る
「なんだ?早く言え」
「はっ…澪様は朝起きてからあの男といる間は召使いのように使われており、その…」
「構わぬ、言え」
「はっ、澪様は…事ある毎に言いがかりをつけられその度に罰を受けておられました、そして夕餉後は夜が明けるまで―「もうよい、下がれ」
「はっ」
人間の屑め、矢張りあの傷はそういうものだったか
なにゆえ澪がそんな目にあわねばならんのだ?
澪が何をしたというのだ?
その時から俺の中でどす黒い感情が逆巻、狂った愛へ変わってしまった
なにをしても、どんな手を使ってでも澪を俺のものに
俺の傍へおくと決めた
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