澪→レイ
高揚感(昌平君)*暴力,死,狂愛,多少のR-15含みます
name cchange
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
―――――――――
「っ…はぁっ、はぁっ、はぁっ―――」
目の前に仰臥位で倒れているその男は、左肩から右腰まで斜めに一振に切られ地面を血の海で彩る
鉄のにおい、深紅に染まった両手、その両手に握られている矛の刃は美しいほどにたらたらとその液体を冷たい地面に落としていく様に悦楽に浸る
ふと矛の奥に目をやると大きめの鏡面があり、そこに映っているのは恍惚とした表情の己であった
高揚感で満たされている己に気付き、このような解放にも似た、何かが弾かれたような感情になるのであれば早早(そうそう)に事を起こせばよかったと思った刹那、この時、でなければ難儀であった事も思考に蘇る。
あの憎らしい男とてその顔を見れば僅かでも躊躇う己が居るかと思ったが矢張り憎い男には変わり無かったようで安堵し一思いに刃を振るった…など偽りである
男の身体の切り傷はひとつではあるが、幾度となく殴られて腫れた顔は殆どわからない状態であり、よく見ればめくれた深衣から覗く腹部や脇腹には紫の大きめの斑点が無数に見えるのであった
「…澪…愛している…澪…お前は俺のものだ…俺だけに守られていればよい…俺だけに、おれだけの…」
大切な人の幸せが己にとっての幸せになるとはよく聞くもんだが、それは俺には当てはまらなかった
澪は、あの男と居ても幸せではなかった
ならばいっそ…
「これで…これでよいのであろう昌平君」
自分に呟く
fin.
4/4ページ