澪→レイ
無意識の癖(昌平君)
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「あ、ありがとう」
「気にするな。」
「……」
「……」
「………」
「………」
「し、昌平君?」
「なんだ?」
「着替えたいのだけど、後ろ向いててくれないかな…?」
「…っ、すまん。」
昌平君が後ろを向いたのを確認して着替えをさっと済まし、髪の水気も布で軽く取る。
「もうこっち向いていいよ」
「あぁ。俺の部屋で話を。」
「…わかった。」
「あの、話って…?」
なかなか話を切り出さない昌平君に痺れを切らし、私から問いかける。
「………喬杏だ。」
「…え?」
何が?、と言わんばかりの私の顔を察したのか続きを話し出す昌平君
「近頃のお前の激務と先の様な事だ。」
「どういうこと…」
「お前にも今回の事に限らず何か心当たりがあるはずだが?」
多分昌平君はきちんと裏を取って全て知った上で聞いてるんだとなんとなくだけどわかった。
「……喬杏さんに対して不信感を抱いてたのは間違いない…けど、なんでこんな事を…?」
澪は、どうせ知られてるならと観念し話し出す。
「…俺だ」
「昌平君…?」
「あぁ、喬杏は俺に想いを寄せていた。」
「そう、なんだ…喬杏さんに好きって言われたの…?」
「そうだ。三月(みつき)程前から喬杏の俺に対する言動に徐々に違和感を感じ始めた。否、お前が来る前からあいつからの好意は知らなかった訳では無いが、一月程前からあからさまになっていった。」
「…何かされたの?」
昌平君は部屋の中央にある長椅子に腰掛けると、その隣をぽんぽんと叩いて、私を誘う。
その誘いに乗り、隣へ腰掛ける。
「決定的とも言える行為は、ある日俺の私室へ茶器を持ってきた時だった。俺は手を止め椅子から立ち上がって振り返った時喬杏が俺の背に腕を回し抱かれた。」
「喬杏、さんが…?」
「…だがすぐに突き放した。」
なんでだろう…すごく胸がきゅっとなる。
それに、喬杏さんに対して苛つく自分がいる。
無言のまま返事が出来ずに昌平君の次の言葉を待つ。
「それでも喬杏はもう一度俺を抱き寄せ、あろう事か口を吸ってきた。」
どくんっ、と心臓が止まるような感覚で脈打つ。
「……昌平君は…」
「…俺がなんだ?」
「………っ」
胸が苦しくて上手く喋れない。
「澪…」
「…昌平君は喬杏さんの事好きなの…?」
言ってしまったが後悔してももう遅い
だって喬杏さんはなぜ召使いなんだろうってくらい名家の娘さんで昌平君にお似合いなくらい容姿端麗で、長く仕えてるし歳も昌平君より少し下で近いし、きっと昌平君が正妻を娶らないのは喬杏さんの事があるからなのかなって勝手に思ってた。
「…何故かようなことを聞く?」
「昌平君も、喬杏さんの事好きなんじゃないの?あんなに綺麗で歳も近くて長年一緒にいるし…すごくお似合いだよ…喬杏さんに慕われて良かったって思ってるんじゃないの?」
なんでこんな責めるような口調で私は…
この期に及んで気付いた恋心に泳がされて勝手に嫉妬して怒って責めて…
馬鹿みたいだし惨めな自分に嫌気がさす
「……俺は」
「……っ」
「お前が好きだ」
「………え?」
「お前を好いている。」
「わ、私、を…?うそ…」
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