澪→レイ
無意識の癖(昌平君)
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「澪?今日もお願いできますか?」
「はい、任せてください!」
私の家系は代々秦国内随一の呉服屋を営んでいたのだが、先の戦で毐国軍の反乱で家も生地や商売道具に家財道具も全て焼かれ、幸い私は外に遣いに出ていたので助かった。でもその際に父を亡くし、母は私を産んですぐに他界しているので住む家も何もかも失ってしまい、半年程前に幼馴染の"総司令様"のご好意で昌平君の邸に召使いとしてお世話になっている。
いつもの通り決して少なくない召使いの中でも長く仕えてる―とは言っても歳は昌平君と然程変わらないと思う―喬杏(きょうあん)さんが手取り足取り教えて下さったおかげで、そつなく仕事をこなせるようになった。
「はぁ…今日も冷えるな…」
それもそのはず、今宵は邸の中庭の綺麗な玉砂利も、雪化粧でいつにも増して白く彩る。
もう年の瀬近く、邸の住人たちも心做しか浮き足立っているようにも見える。
果てしなく長い廊下の一角、中庭周りの床を雑巾がけをしている最中。
当然湯なんて使えない。贅沢であるから。
とは言いつつもこんなの拷問だなんだと考えてしまい耐え難いものであるが、やるしかない。
「早く春にならないかな…」
ハァハァっと手に己の息をかけ拭いてはまた息をふきかけを繰り返しようやく終えるのである。
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