主≠監。
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『いいですかフロイド。他人を欺いて好き放題するのは結構ですが、くれぐれも寮の外で急に飽きるのだけはやめてくださいね』
「とか言うんだよジェイドってばー……ねーぇ酷いと思わない?」
「………」
「ねーー!酷いよね~ジェイド……。オレがお前をこんなトコに置いてったらさァ、すっげー大ゴトになるじゃん?流石に分かるって~ココ男子校なんだし」
「…ッ……っぐ……んん…」
「?ねーなんで何も言ってくんねえの?……!あぁ~……、しゃぶってたらそりゃ無理かー!まあここ図書室だし~オンナの声が響いちゃまずいよね……あはぁっ」
「!!ッふ……ンッ」
今日はずっとこのざまだ……ひと気の少ない校舎裏で、強要された待ち合わせ。
そこならぎりぎり私有地の外ゆえ、万が一フロイドを待っている間に誰かに見られても、大丈夫だと語尾に音符までつけて諭された。
彼の言うことなんて宛てにならない。
もう分かっている筈なのに、刷り込まれた様々な思いが、名無しにノーと言わせない。
待ち合わせの時刻より少し遅れてやってきたフロイドは、眠そうに生あくびを零し、口の端にはキャンディを銜えていた。
フロイドの鋭い歯がキャンディの表面に食い込んでいる様子は、そんな無機物にすら背筋が凍って同情するものがあり、ただただ名無しを震えさせる。
それに手をとられて、辺りを見渡すことでジェイドが居ない事実に気付いてしまえば、嫌な予感しかもうしなかった。
いつものように周囲を欺き、フロイドだけに連れられたこの日。
そこはオクタヴィネルでもラウンジでもなく、初めて訪れる図書室だった。
「……そういやお前さ~オレに訊いてきたよねー……、ここは男子校ですよねーとかって……懐かしい~…!お前めっちゃ怯え倒してさーっ」
「っ……、ぁ……」
「あー待って懐かしいとか思うのやばくねぇ?そんだけお前で遊んでんじゃんオレ……飽きてねえとかすごくねぇ?!ねぇ偉いー?!」
初めてまじまじと目にした本校舎は壮観だった。
息をのむものがあったけれど、そんなことよりもまず、自分が立ち入るべき場所ではないということが脳裏に過ぎり、名無しはフロイドの手を思わずはらった。
これ以上はもう……そんな表情で悲観的に眉を顰め、後退しようと一歩下がる。
が、フロイドはキャンディをがりがりと食しながら、黙って再び名無しの手首を、今度は強く掴んだ。
ちゃんと、手のひらのあたたかさが伝わることが悔しい。
まだ好きなのか、気の迷いが続いているのかと、名無しは自分で自分を胸中責めた。
やむなく校舎内に連れ込まれ、彼女がフロイドときたその図書室は、壁と本棚に挟まれた一番隅の過疎を思わせる場所に到着していた。
「はぁ……っも……、あの…!!ぐ、んん……」
「ん~?勝手に喋んなって。………ほらしっかり咥えて最後まで飲めよ?お前の好物いま出してやるからさァ」
キャンディを溶かしきったフロイドは、銜えていた細い棒を廊下の屑籠にひょいと投げ捨てていた。
自身の身体で名無しを上手くカモフラージュし、誰の目にも留まらないように連れ歩くその様子は、魔法の使用でも疑いたくなるほどだ。
そして入室してしまえばこちらのものと言わんばかりに名無しを押しやり、壁際に追いつめれば、「それ」が始まる――。
制服を着ているフロイドを見るのは初めてではなかったけれど、寮服よりもまだ彼が穏やかに見えるのは、名無しがフロイドの寮服姿を恐れているからだろう。
まあ、どんな格好をしていても、忘れられないのはおそろしく冷たい目をした彼らの顔と、凌辱された記憶が刻まれていた事実だった。
「―――ぁ……っく…――ハァ…ッ、あーやべぇキモチイイ……上手だねぇホント……褒めたげるー」
「!ん、ン……んく…っ……は、ぁ…」
「ちゃんと飲めたァ?はーいよくできました~」
壁際に追いやられて、キスのひとつでも交わせば、それなりに画になったのかもしれない。
直前までフロイドが舐めていたキャンディの味が咥内で伝わり広がって、さぞ甘いそれへと昇華したことだろう。
もっとも、そんなロマンチックな光景を思い浮かべられるほど今の名無しは純粋じゃなかったし、彼に望める筈もなかった。
押された反動で痛む背に気を遣う間もなく、しゃがみ込まされ、目の前ではガサガサと衣類の音が聞こえる。
フロイドが制服のジッパーを下ろせば、いな下ろさずとも、この場所を彼が選んだ時点で、名無しは自分の成すべきことをもう分かっていた。
「んむ、……ふッ…ん……」
「イクのってマジ気持ちイイよねぇ……まあ一瞬ってとこはクソつまんねぇんだけど」
「………」
「……ねえ~?………お前さァ、そんなにジェイドに会いてえのかよ」
「!!……え…」
図書室は静かなところだったし、大きな声を出してはいけないことくらい、誰にでも共通するルールとして名無しも当然理解している。
多少はぼそぼそと話し声が周りから聞こえても、特に女である自分の声音が響けば、それが何を意味するか……。
もともとフロイドもこう見えて考えてはいたようで、利用する生徒の少ない時間帯を選んで此処まで来ていた。
だから、これ見よがしに自分は好き勝手に喋り、名無しが話せないよう物理的にそう仕向け、彼女を辱めた。
名無しの口淫は、逢瀬を重ねることで二人を都度悦ばせ、特にフロイドはそれをとても気に入っていた。
大きく勃起した自身を咥えさせて、苦しむ名無しの姿を見下ろしながら味わう射精の瞬間は、彼にとって恐悦至極に存じる時間だった。
「……あ…、え…?!」
「……ぷぷ、そんな図星突かれたカオしちゃってさ~!なにー?マジだった?」
「ッ………」
「残念でしたー……ジェイドねぇ今日は買い物行くって言ってたよ~。良い茶葉ァ?が入ったとかなんとか言ってさァ」
「…っ……!!やめ……」
「……だからオレがかわりにヤるからさ~。お前目ぇ閉じてジェイドのことでも考えてればー?ん……っ」
「ふ、ぁ……ッあ……!!」
フロイドはしゃがんだ名無しの口元にそれを近付け、最初から喉にささるほど猛りを押し込んだ。
粗暴なやり方は相変わらずで、彼女の両方の口角から唾液がずぶずぶと漏れようと、構わず出し挿れを優先させた。
ほどよく熱を持った粘膜は、女性器までとはいかなくても確かに男を過敏にする。
眉間に皺を寄せ、涙目になっていやいや頬張るわりには、どうしても強要を望んでいるようにも見えるのだから実に面白かった。
名無しはまだ自分に惚れていて、挙句、こちらには今も増え続ける、沢山の脅しの種もある。
まだまだ使える素材に値する彼女は、フロイドにとっても、じゅうぶん大切なモノだった。
「!……ッ…、あ…ッ」
「ははッ……オレめっちゃ優しい~……ジェイドに会えなくて寂しいんだよね?うんうんー。………オレ一人だともう物足りねえ身体になってんだろ?」
「や……突い…、声出…ちゃ……ッ!ひゃ…」
「やっぱ懐かしいよねぇオレのことだけを好きだったお前とかさ……。それにしゃぶってるだけでこんな濡れてんだもん~。勿体ねえじゃんー?突っ込まねぇとさ」
「…フ……ロイ…!ひ……ッ」
後頭部を髪ごと掴み、文字通り無理やりしゃぶらせ、卑猥な音も沢山聞こえた。
規則的に喉奥にあたる感触はたまらない心地好さで、フロイドは何度も名無しに、唇を窄めさせるよう強請った。
時々、生徒がそこへ入室する気配もあった。
けれどフロイドはひとつも焦ることなく、ただ口淫による絶頂欲しさに、自らも腰を揺らした。
同時にひとり小声で話す、ジェイドに対する愚痴は、わざと名無しの反応を窺うためだった。
そして名無しが一際苦しそうに、舌と喉に苦味を覚えれば、上でフロイドは恍惚を浮かべるだけだ。
それが射精の瞬間だったということは互い周知であり、フロイドは一陣の脈が完全に途切れるまで、名無しに自身を咥えさせた。
「あ……あ…ッ」
「いいよ~?別にジェイドーって言っても……オレいまご機嫌だし聞きたいなーねえ聞かせてぇ?」
「ッ……」
「えー呼んでくれねえの~……?………抜かれてえのかよ」
「!」
どろどろとした熱い液が名無しの口腔を犯し、それを吐き出すことは一切許されなかった。
フロイドの制服に一滴でも零そうものなら、生きた心地もしない……。
もう何度も酷い仕打ちを受けている。
とはいえ嚥下の瞬間だけは、いつだって苦悶に表情が歪んだ。
精飲ののち、名無しはフロイドに頭をポンポンと優しく叩かれ、そんなことで彼の行いを帳消しにしてしまう自分を愚かに思った。
苦悶から戻る元の表情、舌で唇に付いた体液を舐め、漸く口淫からは解放される。
フロイドは満足そうに短い息を何度か吐き、長い腕を伸ばして名無しを立ち上がらせた。
けれどこれで終われば、名無しの顔はもっと穏やかに戻っている筈だ。
顔を近付けられ、鋭い瞳で金縛りを浴びれば、耳元で紡がれたのは誰にも知られたくない、彼女の気持ちだった。
「!あ……」
「ほーらー早く~、………名無し?」
「ッ…ド……、ジェイド…ッん……」
「あはぁ~言っちゃった……オレ、ジェイドじゃねえんだけど……あ~でもオレがいいって言ったんだっけ」
「フ…イ……っも…、これ以上は…ほんとに……!!ひ…」
数多呼び出され、手懐けられるようになって芽生える想いはいくつもあった。
もちろん嫌だと思うそれも事実だったし、解放もされたい、かかわりをなくしたい、出会う前に戻りたい……それはそれは様々に。
名無しは、様々ゆえに至りたくなかった気持ちにも自身気付いており、それだけは誰にも知られまいと、一番心の奥底に秘めていた……筈だった。
フロイドを好きになって、何度も何度も同時に愛されて、揺れ動く想い。
愛情はどこにも見えないのに、快感を共有するセックスを重ねた結果、募るものがそこにあった。
「い……いっちゃう……から、抜い……」
「やーだ抜かねえ……オレももう一回イクもーん………ほーら呼べよ」
「ッ……ジェ……ド、ッ…いく!……ア――ッ」
「!――……ン…ッ」
身体を撫で回され、舌で触れられ、挿入までの時間を丁重に扱われれば勘違いだってする。
自ずと求めてしまう身体にも躾けられて、だからいま名無しの前に居るのがフロイドだけという事実は、彼女を苦悩させていた。
口にしたジェイドの名で、彼を想い、フロイドに犯される。
今フロイドが名無しに手を出していたのは、二度目欲しさと気まぐれが重なった結果だろう。
ただ、どうしても本音を聞いておいてやりたいとも思っていたようで、フロイドは予想が当たってより上機嫌になり、浮かれ調子を抑えられず、そのまま名無しを抱いた。
「……ハァ…、はぁッ……ッ」
「――……」
もともと、口淫させればそれだけで名無しはもう濡れるようになっていた。
フロイドは前戯をとても面倒に思っていたし、そうなるようにも調教していた。
立ち上がらせて壁に手を付かせ、あとは自分に尻を突き出させれば準備はおしまい。
ジェイドの名を出しただけで簡単に動揺して、少し頬さえ赤らませる名無しを見ているのは本当に面白かった。
自分にだって惚れているくせに。
欲張りな人間の雌だなという認識を持ち、それを刷り込ませ、後ろから容赦なく陽物を挿す。
精一杯声を殺しながら、それでも我慢できずに甘く啼き悶える。
名無しは無意識にフロイドの二陣目を誘うと、膣への射精も促進し、やがてまもなく互いに果てた。
誰だってぐったりするようなそんな状況でも、彼女が縋ることを許されたのは、目の前の壁に対してだけだった。
――――。
「―――……は、ぁ……」
「ッ……はぁ~…気持ちよかったんだけどさー……。今日はもう飽き…、……あーだめなんだっけ…?ジェイドに怒られる……ここ図書室だもんねぇ」
「…っ……!んん…っ…フロ……」
「あーしょうがねぇなぁもう……、今日はオレが送るかァ……ほーら。………名無し?」
「!」
「?……ははーん?お前ホント可愛いよねぇ、やっぱさ~……あはは」
腿に垂れるフロイドの粘着質な濁液が、ゆっくりと下へ流れ落ちる。
スカートのなかで足を擦り合わせ、名無しは落下含め、床が汚れることも懸命に防いでいた。
絶頂の直後、こんな辛い状態でも、今自分の後ろに居たのはフロイドだ。
抱き締められるのはおろか、優しく手を添えられることもなかった。
そうだというのに、ただの一度、頭をポンとされた程度で繋ぎ止めさせられている―――。
情けなさが、また名無しの目の前を滲ませた。
「ねえやっぱ送るのやめてさぁラウンジまで行く?もうちょっとオレの相手してよ……あーでもまだ時間が早ぇんだっけ?アー……」
後ろでは、制服の皺を手で伸ばし、身なりを整えているのであろうフロイドが、グチグチとまた何かを言っている。
この思考の読めなさにどんなに苦渋を強いられても、どうせまた呼び出されれば、自分は素直に彼の元へ向かってしまうのだ。
喉を鳴らし、深く息を吸い、名無しは恐る恐るフロイドの方へと振り返った。
どうしたって、この場でひとりしゃがみ込むことも、誰かに見られることも避けなければならなかったから。
ジェイドが不在らしい今、彼女にとって頼みの綱はフロイドだけだ……。
「!……ッ…――」
「……あはぁ…ッ、ほら行くよ~?ラウンジ……ちゃーんと人目に付かないようにするからさぁ~。もう一回ヤラせて?」
「、……ん…」
覚悟はできている……大丈夫だ。
フロイドは振り向いた名無しの肩を掴むと、上肢を曲げて頭の高さが同じになるように合わせた。
間近になった瞳に吸い寄せられ、逸らせず、改めて受け入れるしかなかった彼の呪縛。
解放される時間が少し伸びたと思えば、フロイドと居られる時間が増えたと思えば平気だ……名無しはもうそれでよかった。
コツンとあてられた額、掴まれた手首に確かに伝うフロイドの熱は、彼女の下着の中を再び火照らせていた―――。
don't tell anyone!!
20200408UP.
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