主≠監。
dreaming island Ⅱ
Please input the ur name.
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「名無し……んっ…もう……咥…やめ……」
「ン……イクの……?トレイ…んぅ……どこで……?」
「ぁ…ッ……おま…、あ……ッ」
「名無しのクチ……ン、手の中でもいいよ……?んむ…」
「ッ……どこでも…んぁ…出したい出したい……ッ、な……出させ…名無し……アぁ……きもちいい…」
「……、私は…トレイのがほしいから……しゃぶってイカせたいけどなぁ……んぅ、ん……」
「分か…っ……ァ…それ……しゃぶって名無しッ……もっといやらしく……俺の好き、な……んっ、……お前のフェラで出したい…ああ……名無し…ッ」
殻を破る、というのもおかしいかもしれない。
それでもふたりだけの秘密を持ちたかった。
こんな大胆な姿を見せられるのは、たったひとり、大切な人の前でだけ。
男らしさにかけ離れた恥辱を見せられるのも、たったひとり大切な人の前でだけ。
たとえどれだけ、次にまた外から何かを仕組まれ、謀られたとしても……。
「んッ……トレイ…いって……?見たい……」
「ッ…!ああ……ッ…、きもちいい…フェラきもち……ッ、んぁいく…名無しイク……もう出……アぁ…ッ――!!」
込み上げた熱が下半身で渦巻く。
耐えきれずに外へ出ようとしたそれが、トレイを恍惚で覆い尽くす。
「!ッ……はぁ……ハァ…、……」
目の前でしゃがみ込まれ、ベルトに手を伸ばされてからはあっという間だった。
勿論、口淫そのものはそれなりの時間を使ってはいたのだけれど……。
ただ成すのだという、感じたのは名無しの強い意思。
トレイは想像もし得なかった彼女の気持ちをそこで読み取ると、本来ならば軽々と形勢逆転できる自分の言動を抑制して、そこでの行為を甘受していた。
「ん……っ、んぅ…――」
「んん……名無し、……ッ?!こら……」
攻められる快楽を知れば、きっと新たな自身の癖の開花を助長させられる……。
それは危惧というよりは好奇心、期待感の方が強かったのかもしれない。
先端から丁寧にキスを降らせ、渇いた怒張にゆっくりと潤いを与えながら行為に耽る名無しの姿は、彼女が口にしたとおりトレイの決意を鈍らせていた。
何度もいやらしく口腔を窄められながら、思わぬ機に絶頂を味わわされたトレイにとってそれが鈍るということは、自分の発言に責任が持てなくなることと同意だ。
だから当然、果ててはいても、彼は最後まで足掻くつもりではいたらしかった。
「お前……飲…」
「――……んぐ…、……はぁ…、……ふふ、精子…いっぱい出ちゃったね…トレイ……きもちよかったね…」
「ッ……ああ…もう……ッ…お前は……」
トレイのそこから勢いよく白濁が飛び出すまで続けられた口淫は、名無しの利き手による上下の動きもあって、決して長い時間は要さなかった。
けれど思わず壁を頼りに背をつけて、半ば仰け反るように個室の天井を見、トレイは射精にまで至っていた。
あくまで交わした会話の声音は小さいものだ……。
それでも卑猥なことには変わりなく、自身の身体の内側が潤っている症状を覚えていた名無しもまた、その気持ちに溺れないように胸の内ひそやかに足掻いていた。
「ン……」
窄め改める口腔で残滓を吸い上げ、最後の最後までそれを全うする。
先を舐め上げて終わった行為は、二人の心にあった渇きを消し去っていた。
トレイの欲望を飲み込んだのは、何かの罪滅ぼしのためじゃない。
自然と嚥下のモーションをとっていたことがすべてだ。
それでも僅かに、その何かが……同日ジェイドに抱かれたことへの贖罪であると完全否定するには少しばかり難もあった。
が、今の彼女にはそれが妥当な判断でもあったのだろう。
「ん……、たくさん出て……ね、トレイのきもちよさそうな顔が見れて……嬉しい…すき……」
「!ああ……きもちよかったよ…めちゃくちゃ。お前に攻められるのが癖にならないといいが……ふふ。それは俺の専売特許の筈だしな」
「ッ……う……」
「――……お前に咥えられて、お互いさっきよりずぶ濡れだ……行こう?俺の部屋に……勿論やく…」
「約束……破ってもいいよ?ほんとに……どっちだって私は…!ン……」
「破らないよ……ひと眠りするぞ?お前も少し足が震えてる……此処でしゃがみ込んで、疲れただろう?」
たとえそれが贖罪の紛い物だと思っていることにトレイが気付いていても、名無しは満たされていた。
自分がどれだけ今この瞬間性懲りもなく蜜を垂らしていて、それすら悟られていて行為を望むことを匂わせても、トレイは真っ直ぐだった。
射精という手段で満たされたことでの補正がかかっていたとしても、打ち明けるべきを互いに話したからだろうか、現在の雲行きは決して悪いものではなかったのだ。
「……ああけど……一応言っておくと……お前を抱きたくないんじゃない。今すぐにでも欲しいのは本当だからな?何度だって言ってやる」
「っ……知ってるよ……だってトレイ、わたしのこと……!ッ……」
「ああ……そうだよ。めちゃくちゃ好きだ…好きで好きで好きで……だからベッドの上で、ただ隣で大切にしたいだけの瞬間もあるんだよ……」
そう言って押し殺す、今すぐにでも唇を重ねて、身体全体にキスをして、奥の奥まで貫きたいという淫靡な気持ち。
心から信じられる人の、心から信じられる言葉のひとつひとつが互いの耳元で響き合うことで、二人はこれ以上のこの場での行為にストップをかけていた。
ずぶ濡れになった身体も、今もまだ小さく交わす会話の数々も、そのすべてがトリガーに成り得ても、この場だけは冷静で居て見せた。
「大…切……」
「そう、大切。お前が好きで、大事だから……行こう、名無し」
「ッ……うん…――」
やがて名無しが立ち上がれば、トレイに頬を撫でられ、その雫を拭われる。
自分たちの個室外で聞こえていた、シャワーの音と二人分の騒音もちょうど消えていたことに気付いたのは、彼の腕に抱き締められてから程なくしてのことだった。
迷いのない、どれだけ擦り減って傷ついていても力強いその腕に……。
名無しがトレイに自分の腕を伸ばしたのもまた、当然のことだった――。
dreaming island Ⅱ
20230513UP.
6/6ページ