主≠監。
Be blessedⅢ
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――――。
――。
「熱つ……っ…、すごいな……こんな…名無し……お前もう……んっ、またナカ熱く…ああ……きもちいい…ッ…」
「――……あ…、……イ…」
身体の奥がじんじんする。
じりじりとひりつくような熱に茹だり、恵まれた広さの空間下に居ても、火照りは体外へと出てくれることはなかった。
「?…どうした……名無し……また動くぞ?今度はもっと激しく…次はお前も……」
「や……!!――…いや…ッ……」
「ッ……、名無し…?」
変わらず軋む作業台の上。
淫らに身悶える艶めかしい身体は卑猥さを増すばかり。
名無しはずっとトレイに対面座位を許していたけれど、いやらしい表情には硬さが混ざり、ぎゅっとしがみついていた上半身は、気持ち離れようともしていた。
それは、”そう”であって欲しくないと考え続けた、雑念から来る集中の出来なさ。
もっとも、そんなときでさえ下半身は濡れ、淫靡な声は漏れ続けていたのだけれど。
「名無し?」
「トレイ……、じゃ……ない…」
大好きな人とのセックスに夢中になって、下から突き上げられる快感に溺れていたさなかに一瞬見えてしまったもの。
それが真実を映しているとは限らない……なんて発想にならないのは、名無しが夢を見つつも、現実も確かに見ていたゆえだろう。
「え……?」
「ちが……そんな、…でも……ッ…」
「……フッ。……どうしたんだ急に……俺だよ、名無し……」
「ッ…うそ……!……で……なんで…?!だって……っ、……ド…」
「、………」
「――ぃ……ド……なんでしょ…?……、ジェイド……ッ…」
――その顔も、その声も。
その肌の色や感触すらも。
言葉遣いはおろか、何気ない仕草や癖のひとつひとつすら、トレイに違いなかった。
けれど薬品の入った瓶に反射して見えたのは、名無しを抱いていたのは、トレイではなかった。
虚しさに押し潰されそうになっていたところ帰ろうとしていた自分を、駆け足で追いかけて来てくれたトレイは、トレイではなかった。
「!…あ……ぁ……」
名無しの目の前で溶けた、身形を偽るための効力。
繋がっていたからこそ僅かに生じた、澱みゆえに体内で受ける異変。
黒い波濤に飲ま込まれる――。
ここまで好きで嬌声を上げて自ら感じて、好きで乱れていた自分を愛でていたのがジェイドだと分かった瞬間の名無しは、恍惚を浮かべながら酷い動揺を見せていた。
そんな彼女を見上げて悟った、名無しの前に姿を見せたジェイドは、自らの素性をこれ以上誤魔化すことはなかった。