主≠監。
to set a trap
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各寮へ行くには鏡舎を経由しなければならない。
だからどの場所も気持ち的には遠く感じたし、大人たちの目は届き難くもあった。
どこが一番気付かれ難いか……人によっては意見は分かれるだろう。
名無しのなかでは、此処が一番そうだという確信があった。
「――……ハァ…ッ」
他人に乞うても、伸ばした手は誰もとってくれない。
むしろその気配もない。
顔を上げれば、深淵のなかに渦巻くのは絶望だけだった。
身体に走る刺激が、痛みか、それともまた別の何かか……名無しにはもうあまり分からなくなっていた。
「!ああ……まだやっていたんですか?フロイド」
「おかえりジェイド……んー、そろそろ飽きてきたとこだったんだけどね……。でも終わらせるのもつまんないしーって思ったりもして」
「そうでしたか……ならば交代しましょうか?少し休んでもいいと思いますよ、あなた今日は試合もあって……疲れたでしょう」
「んー……そうする~…まあ見とくけどね」
「はは……悪趣味ですね、まったく」
営業時間を終えようとも、海中にある店内は元々薄暗く、前向きな気持ちにはなれたものじゃなかった。
大人の雰囲気を思わせる、なんて都合のいいことを言われても、今更羨望や憧れを抱けるわけもない。
もっと最初に気付くべきだった。
名無しは自身の異性を見る目の無さに嘆き、願わくば時間を戻したいと頬に涙を伝わせる。
「……」
好意を持つんじゃなかった。
気の迷いを起こすんじゃなかった。
乱れた呼吸を整えながらゆっくりとまぶたを開く……。
欲しかった終止符はまだ、与えられないままだ。
「まったく……あなたが珍しく連絡を寄越して来たかと思えば…こんな写真まで添付してきて」
「え~……、だって二人でシた方が楽しいに決まってんじゃん?それになんだかんだ抜け駆けしたとか思われてもめんどくせーし」
「別にあなたの好きにすればいいですよ、フロイド。元はといえば、この子はあなたに好意を持っていたんでしょう?」
「んーー、まーねー」
しんと静まりかえったラウンジの中で唯一聞こえるのは、フロイドとジェイドの話し声……それに名無しの苦悶した息遣いだった。
客である生徒も、ときどき時間を搾取していた駒同然のウェイターたちも、だれ一人いない。
もしも自分とこの双子以外に人が居さえすれば、あるいは助かったかもしれない。
そうは思うけれど、そんなことはもうあとの祭りだった。
――――。
『ねーねー……お前ずっとオレのこと見てたよね~?試合中』
『!……、い…っいえ、見てな……』
『あーいいよいいよ、すっとぼけなくて。―――……オレ今日すごーく機嫌イイんだ~…だから遊ぼうよーー。ね?』
それは会場で何度か見かけていたフロイドが、試合に出ているのを初めて目にした日だった。
恵まれた体躯にも関わらず、怠惰にベンチで足を組み、ただだらだらと全てのクオーターが消化されゆくのを見ているだけ。
まあ、ちゃんと顔を出すだけまだましなのかもしれないが。
対戦チームであるにもかかわらず気になって仕方がなかったのは、単純に名無しが彼のことを好きになっていたからだろう。
『……あの…ここって、男子校だよね…なら寮もなおさら、わたしなんかが来たらまず……ッ!』
『んー?今更ナニ言ってんの~?………本気で嫌ならついてこねぇだろ』
『!ッ…待…っ……―――』
ただの一度だけ、まともに話したときに聞くことができた。
「気が向いたから今日は試合に出た」というフロイドの言葉に嘘はない。
もっとも、嘘をつくもなにも、それが彼の本音だったのだから。
実際ジャージをコート際で脱ぎ捨て、いきいきとした表情で、フロイドはオーディエンスに自分のプレイを見せていた。
長い腕は巧みに伸びるように魅せ、フェイントを交えつつ、相手の選手を騙しに騙してボールを奪う。
何リバウンドも、何ゴールをも決めていたフロイドが途中、いきなり飽きたらしくベンチに下がっても、結局彼の居たチームは圧勝していた。
名無しはそんなフロイドに目を奪われながら、いつしか手元のスコアを書き損じていた。
「ん……ッ、ん…!」
「ああ……これは…フロイドに酷くされてしまったようですね…こんなに怯えて」
「っ…あ……」
「痛かったですか……?暴行は…ああ……此処が腫れてますね…かわいそうに」
「…ッひ……」
「ご安心ください。僕はフロイドと違って、多少は優しいですよ?だからそんなに怖がらないでください……ね、名無しさん?」
ラウンジは営業を終えても、そのクリーンな状況を保つために清掃作業も一切怠らなかった。
この日は奇しくも双子の当番であり、ゆえに店を独占することが可能だった。
もっとも、「そういう行為」で汚れたのなら、その殆どを片すのはジェイドだ。
彼は別件で到着が遅れていたけれど、店内でフロイドが起こしていたことは、受信していたメッセージと添付された画像で把握していた。
「ん……ハァ…」
「チュ……。ああ…口のなかにも出されたんですか?気の毒に」
「っ……おねがい…もう、帰……わたし…」
「ええ……帰るのは構いませんが…貴方は女性で、外は危ないので送って差し上げようとも思っていましたし。――ただ……わかりますね?」
「!ッ――……んん…」
フロイドのチームに負けて、自分の部のマネジメントすらろくにできなかった。
その理由がフロイドに見惚れていたから、なんて、たとえ部に属さない仲のいいクラスメイトにも言えないことだ。
会場を出るとき、控室の前で声をかけられたときは本当に嬉しかった。
目の前で見るとフロイドは本当に背が高くて、見上げるという行為にすら、なにかときめくものがあった。
話しかけられたのもさることながら、その内容も、かなりの奇跡に近かっただろう。
相当気まぐれだと噂で聞いていたし、だから遊びでも構わないとおもった。
一度くらいなら、彼の視界に一瞬でも入れるのなら、少しでも近付けるのなら……。
「!あ……んぁ…ッ、ぃ……」
「……はぁ。……フロイド、貴方……この子にまともな愛撫も与えてないですね…?」
時間が戻るなら、神様に願いたかった。
「や……それ…ッ、……んん」
「あー……ジェイドはなんでもお見通しだよね~……。オレんときはさー、こんなあっまい声出さなかったし」
「いや…、んぁ……、ひ…あ」
「なにぃ?……感じてんじゃん~ジェイドに。……はは、スケベー」
どこに出かけるのかと思えば、フロイドは名無しを連れて自身の属する寮に戻っていた。
周囲の目を掻い潜るのも慣れた様子で、途中別の寮生に遭遇しても、彼は一切動じなかった。
ラウンジに到着して、そこはなんだか閉鎖的で恐ろしい空間のように感じる。
名無しの予感は事実に違いないのだと彼女が悟った時には、何もかもが遅かった。
いかにも外界を遮断していると言わんばかりの個室は、上質なソファに押し倒される。
それを名無しが上質、と思ったのは、背を押されてぶつかっても痛みを感じなかったからだ。
状況を理解した名無しの怯える表情はフロイドを昂ぶらせ、口元の両端がじわじわとにじり上げる様は、宛ら悪魔のようにも見えた。
「女性はこうやって愛されたいものなんですよ……やり方は違うとはいえ、その辺はいい加減もう少し学びましょう、フロイド」
「えー……めんどくせぇ」
「ふふ……、ほら…名無しさん、気持ち好いならもっと声を出して下さい…?それで僕も興奮しますから」
対外試合の移動用に纏っていた寮服のジャケットを脱ぎ捨てたフロイドは、名無しがソファから起き上がる前に彼女の両手を、自身で縫い付けた。
少し力を加えただけで、折れてしまいそうなくらい華奢に感じる手首がなんとも愛らしい……。
傍ら壊してやりたくなる……と思えば、フロイドのスイッチは既に入っていた。
まあ、壊すと言ってもその形容は様々だ。
今の場合は個室に男と女、安直にいえば、フロイドが名無しにしたいことが絵図としてでき上がっていた。
名無しの学校のものらしい制服を軽く裂き、床に転がるのは複数のシャツの釦。
少しスカートをまくし上げれば色白の艶めかしい腿が露わになったし、淡い色をした下着は、彼が爪を立てれば難なく、陰部に面した部分がめくれた。
そこを見るだけで、ひとしずくも流れていないことくらいすぐに分かる。
が、フロイドは名無しの必死の抵抗を無に帰させ、自身の下半身を擦り付けた。
辛がろうか、痛がろうが彼に知ったことじゃなかったのは、自分が好くなれればなんでもよかったからだ。
無慈悲にも腰まわりが解かれる音が響き、次いでジッパーが下りてゆく。
名無しが濡らしていたのは目元だけであり、その潤んだ瞳をフロイドに向けた瞬間、今この男からは逃れることは絶対に出来ないのだと思い知らされた。
「はぁ……あ…ッ」
「ん……そうですよ…もっと聞かせてください」
「!ひ……ぃあ…、それ…いや!そ……っ」
「、これですか……ん…チュ……、本当なら、フロイドに舐めてもらいたかったんでしょうね…ふふ」
「ッ……あ…あ…」
フロイドが名無しを抱き尽くし、何度目かの射精のときに思いついたのが、目下の彼女の姿をジェイドに送り付けることだった。
ソファでの望まない律動に、摩擦で生じるひりついた痛み。
粗暴なセックスに悶絶する名無しを撮りながら、フロイドはまた白濁を注いでいた。
ジェイドに送り付けた数枚の写真と一緒に添えた短文は、いい玩具を見つけたから早く帰っておいでよ、の一言に尽きる。
その頃のジェイドは客人と会っており、横目に覗いたスマホに一瞬驚いていた。
とはいうものの、眉ひとつ動かさずにいたあたりは、違う面で彼の冷たさを物語っている。
「でもほら……目を閉じて何も考えずにいれば、多少は僕をフロイドのようにも感じるのでは?」
「ッ……や、……ぁ…」
「ああ…それは流石に無理ですか?ふ……まあ、仕方ないでしょうね…一応お詫びしておきますよ、僕が」
名無しの首筋には、フロイドに締め付けられた五指それぞれの痕が残っている。
こんな状況、体液が出ないながらにも、攻め立て続けられた膣中が高みを欲しがる瞬間を、彼が利用していたのだ。
興奮した陽物が名無しに強く窄められ、何だかんだでこいつももうすぐイクのか、と感じ、おぞましい表情で見つめながら首に圧をかける。
ソファを汚すと、アズールが気付けばそれはそれはうるさいことを分かっていたフロイドは、名無しの腹上に数度目の射精をした。
ジェイドが到着したのは、ちょうどその直後のことだった。
「無理やり抱かれて、辛かったでしょう……今は忘れて、ほら」
「んっ!……ひぁ…、ん…あ」
「ここも好いんですか?……舌を沢山使われるのがお好きのようで」
「ちがう……こんな…わたし……!あ…」
「ン……」
ジェイドは到着するなり、フロイドの名無しに対する仕打ちに呆れ半分、そして、流石フロイドと言わんばかりのため息を吐いた。
ソファとは別の椅子の上に鞄や帽子をはじめ、ストールと上着も丁寧に置く。
最後に素手になってボウタイをしゅるりと解くと、疲弊しきった名無しに近付き、赤く腫れた頬を優しく撫でた。
「あ……」
添付された写真と、生で見る名無しの汚れた姿を見れば、フロイドが彼女に何をしたか察しが付くというもの。
おおかた自らの欲の為、あとは気まぐれに、絶妙に暴力の一言とも言い切れないような、彼なりの表現を施したのだろう。
涙で濡れた名無しの頬と睫毛に指で触れ、それを舐め取るジェイドはフロイドに休憩を提案した。
もっとも、フロイドは既に半分休んでいたようなもので、別のソファの上にどかりと座り込み、長い足は持て余す様に組んでいた。
フロイドからすれば、ジェイドを呼び出したのは多幸感の共有と、いわゆるお裾分けをするためだ。
気分も別の方向へ流れたところだったし、傍観するのも悪くないだろうと思って、ただただ名無しを眺めていた。
バトンを託されたジェイドは、明け方までに名無しを送り届ける手筈を頭中で一考しながら、彼女の肌に触れる。
そのぴくりと震えた様子が、怯えだけからくるものではないことを一瞬で見抜けば、ジェイドにだってしたいことは勿論あった。
涼しい顔をして、結局フロイドと同じことをする……。
やり口が違うだけで、けれどある意味、フロイドよりも非道だ。
悦ばせる術をいくつも持っているくせに。
堕ちたところで、愛しいと想う感情のひとつも向けることはないのだから。
名無しにはフロイド同様、ジェイドの柔和な微笑みさえ、悪魔のようなそれにしか見えなかった。
「あ……ァ…」
「!あ、ねえねえ~……もしかしてすっげー濡れてねぇ?スケベな音聞こえるよー?」
「っ……、や…め……」
名無しにとって、フロイドに隣で視姦されるのは精神的にきついものがあった。
身体に快感を齎しているのはジェイドだというのに、途中何度も間延びした口調で横槍を入れられる。
それが間接的にフロイドにも辱められている気がして、悔しさが募ったのだ。
こんな男に一瞬でも興味がわいて、好きになって、今見ているのは地獄などと……。
いい加減涙が枯れそうで、できることなら本当に逃げ出したかった。
「ねえ、ジェイドそれどうすんの?まさか舐めないよねー?……あ」
「ん……」
「、わー……ジェイドやさし~……ほんっと女の子の扱い上手いよねぇさすがジェイドだよね」
「…んッ……ハァ…、これくらい普通ですよ?というかフロイド……まさか、したことないわけじゃないでしょう?」
「ん~……まあねーでもめんどくせぇし……たまにだねーホント」
「ハァ……まったく…、……!」
「気がかわったからオレもまぜて~?……あむ」
ジェイドは、フロイドが放置した名無しの身体の、まずは汚れた部分を綺麗に拭き取った。
そのあとで丁寧にソファに寝かし直して、今度は自らが彼女を組み敷いた。
ソファは横になる面積が少ない分、ジェイドは片足を器用に床につけている。
二人に比べて小柄である名無しも、同様に足を片方ふらつかせていたけれど、それは疲弊さゆえに力が入らなかったからだ。
額に優しく口付け、恐怖による震えを無くさせる。
長い指で唇をなぞり、残っていたフロイドの残滓を拭ってやれば、キスをする準備は整ったも同然だった。
名無しはジェイドに口付けられると、それだけで優しく扱われていると思い込みそうになり、頭をクラクラさせた。
直後に舌が絡み合えば、優しくされてももう堕ちるまいと決め込んだ想いが脆くも崩れ、早々に全身はとろけた。
乱された制服、露出した肌に触れられ、愛撫らしい愛撫がこんなにも気持ちがいいなんてと感じさせられる。
フロイドが殆ど何もしていなかった分、ジェイドに齎される前戯は、名無しにとって至極に思えた。
「!!あ……ア…」
「ん……よかったですね、名無しさん。少しだけでもフロイドに愛されて……それに二人同時なんて、さぞ気持ち好いでしょう……、ッ…?」
「ッ……だめ…っいくいく……!イ……いっちゃう…、…――ッ」
「!……ハ……これはこれは…」
「―――……ッ」
些細な舐めひとつにも敏感に。
ジェイドの舌はぬるぬると名無しの全身を這い、特に好い部分を攻められれば、ソファの上で身体は何度もひくついた。
名無しの快楽に抗う姿を、フロイドは何枚もスマホのなかにおさめた。
脅しにも使えるし、気が向けば自涜の材料にもなるだろう……そういう安直な理由がのんびり独り言として並べられ、ジェイドの渇いた笑いを静かに誘う。
ジェイドは名無しの性感帯をねっとりと刺激し続け、本来のセックスにおける楽しみと悦びを彼女に思い出させる。
そして下半身を揺らし、陰部が力むたびに小さく聞こえた淫音が、傍観するだけだったフロイドにも再び火を点けていた。
「わ~はっやーい……かわいいねお前……こんなカオも出来るならオレにも見せてほしかったな~、あは」
「っ……いや…離……、っも…!ほんとに……」
「どうしようかなぁ……またブチ込みたくなってきちゃったなぁオレー……ん~」
「ひ……ッ」
名無しはジェイドに甘い表情を零し、割れた唇から漏れる吐息で言葉なくモノを望んだ。
帰りたいのなら代価を払え……少し前に彼が口にした条件だ。
無論、代価がなにかなんて、ここまできて分からないほど名無しも馬鹿じゃない。
馬鹿だったのは、フロイドに好意を持った日中の自分だけだ。
ジェイドは名無しのスカートをさらにめくり、彼女の下着を、落ちきらないように片方の踝まで脱がした。
両足を広げさせて容赦なく舌を捩じ込めば、高揚して赤く充血した実を舐るだけ……ひたすら快感を与え続けた。
冷静さを保ちつつ、何でもスマートに熟す見た目にそぐわず、いやらしく音を立てて陰核を吸い上げる彼の仕草は、名無しに何度も嬌声を上げさせる。
見えていた両胸は乳首もぴんと勃っていて、それを見たフロイドは思わず生唾を飲みこみ、やがて彼女の傍に近付くほどだった。
どうせ達くのを見ているのなら、自分も混ざりたい。
黒い思惑がフロイドに渦巻き、尖り歯を肩に食み、膨らみをめいっぱい舐め回す。
名無しが悲鳴を上げ、二人のシャツを掴んで絶頂を味わったのは、上下を同時に愛された瞬間だった。
「フロイド」
「!」
「あなたは休憩、でしょう?」
「――はいはーい……じゃあまた撮ってよーかなぁ。………マジでもう一回ヤリてえし」
果てて呼吸の激しくなった名無しは、ソファの上で再びぐったりとしていた。
力みが消えてシャツを掴めなくなり、二人のそれには軽く皺が浮いている。
身嗜みが崩れて本来なら苛立つところ、そうならなかったのはきっと、目の前で良いものが見れたからだろう。
とろけ顔に仕上がった名無しを見下ろし、フロイドは再び下半身を膨張させ、その欲望を吐き出そうとジェイドに声をかけた。
が、ジェイドが折れずにささやかな笑みを見せたことで、珍しくフロイドは待機することを素直に選んでいた。
「ッ……やめ…いや…」
「嫌、ですか……気持ち好かったでしょう?すごかったですよ……つい先程の貴方……。可愛い達き顔を見られて、僕も嬉しいです」
「…っ……」
「ほら…僕の唇もこんなに濡れて……ふふ、糸が切れませんね…実に卑猥です」
「――……ッ、あ……」
「此処はもう、既に僕を受け入れられる状態ですよ…?ほら。……ん…ッ」
「……ッ」
ジェイドはそれなりに理性を保てる方であったけれど、そうもいかなくなるほど、今は下半身が疼いているようだった。
フロイドに加勢されたとはいえ、自分の舌で好くなった女性を目の前に、いい表情をされれば悪い気はしない。
興奮して下着の中が膨らんで、力なく乱れる名無しを、今度は自分が……。
想像しただけで漏れる粘膜がジェイドをより昂ぶらせ、そこで初めて、ソファがぎしぎしと品のない音を上げた。
「―――…あ……ァ…」
「んッ……、これは…フロイドが何度も貴方を抱き潰すのも、分からなくもないですね……よく締まる…」
「…っ……ひぁ…」
「好いでしょう?突かれるたびに何度も締め付けて……濡れてさえいれば気持ち好いに決まってます」
「ちがう……わたしは…!!ひゃ…あ……いく――ッ」
ジェイドは頬に掛かる自身の髪を一度掃うと、唇をひと舐めして名無しを再び組み敷いた。
そして下肢を押し付け、ぬるぬるとした名無しの陰部にそれを宛がった。
最初の腰を打つ所作を取るまでもなく、粘膜に吸い寄せられたジェイドの猛りは、あっという間に彼女のなかへと潜り込む。
自分の時とはまるで違う挿入の瞬間は、隣で見ていたフロイドをにやつかせていた。
ついにはジェイドに身体を支配され、なすがまま名無しは律動を浴び、ただひたすらに嬌声を漏らし続ける。
損得抜きにセックスの相性がよかったのか、悦に浸るような表情を漏らされ、時折いやらしく声を出す彼の目が、名無しには恐ろしく冷たく感じた。
「!ナカでも達けるなんて……ふふ、本当は慣れてらっしゃるのでは?これは……僕たちに躾けられれば、今よりもっともっと気持ち好くなれるかもしれないですね」
「ッ……そんな…の、無理……!!あ…」
「無理かどうかは、此処に訊けば分かります……それに貴方が首を縦に振れば、愛しいフロイドにもまた可愛がってもらえるかもしれませんよ?」
「ッ……!い、ぁ……」
「まあ……僕も貴方のなかに出したいことに変わりはありませんが…、達きますよ?名無し……」
ジェイドに見下ろされていると、その氷のような眼差しに、戻りつつあった体力が再び吸われているような気がした。
非力にただ犯される……ジェイドに舌と指先で愛情をかけられてしまった分、痛みが一切なかったことが悔しかった。
思いたくないのに、こんなにも気持ちが好くて、感じて、だからこそ声が漏れてしまう。
はしたなくよがっても、ジェイドは名無しを卑下するどころか、巧みに煽って、言葉でも彼女を責め続けた。
狭いソファで体位を替え、下から突き上げられて目が虚ろになる。
ただジェイドが下になるだけでなく、どころか背面をとられて後ろから突かれれば、丸見えだった陰部はフロイドに撮られ、それがまた名無しを感じさせていた。
「、撮……、ないで…やめ……」
「え~?めちゃくちゃスケベでいいじゃーん。………はぁオレほんと無理マジもうブチ込みたい」
「…ッ!ひ、ぃ……」
「!あ~終わった?!ジェイド終わったァ?!ならはい交代!」
名無しはジェイドの律動に悶えていたけれど、それは同時にジェイドを過敏に感じさせていた。
無意識のうち、ねっとりとした肉襞がジェイドに絡みつき、摩擦の度に表皮を舐り、射精欲を幾何も速める。
両脇腹に腕を伸ばされ、後ろから胸を弄られながら突き上げられれば、名無しにとっても、そしてジェイドによる二度目の絶頂も近かった。
過去のこととはいえ、好意を持っていたフロイドならまだしも、ジェイドと一緒になどと……それでも名無しを濡らしていたのは、他ならぬジェイドである。
名無しはフロイドの存在も気にしつつ、けれど結局頭のなかを真っ白に、ジェイドとともに溺れた。
生々しく脈打つジェイドのそれが、名無しの陰部を乳白色まじりの体液で染めると、うるさかったソファの下品な軋みは漸くおさまった。
「!!ひ…ぁ……」
「ハァ……ッ…、ふっ…ああ……、これで確実に汚れますね…クリンネスが面倒だ……」
「ッ…―――」
ジェイドとともに見た果てに、甘い余韻の時間など皆無。
我慢できないと子供のように駄々を捏ねるフロイドが、間髪入れず、名無しの上に馬乗ったのがその原因だ。
名無しから抜けたジェイドはそのままの体勢で、非力ながらも逃げようとする彼女の道を閉ざす。
そして入口から溢れる精液が互いの腿に垂れようと構わずに、空いた膣へと、フロイドが再び挿入していた。
「えーなにこれめっちゃイイじゃ~ん……、ッ…お前のナカとろっとろで溺れそ………えー待ってオレが溺れるとか洒落になんなくねぇ?」
「あ……ア…ッ、はぁ…」
「、……あ~……なんか…ジェイドと一緒ならオレーお前のことめちゃくちゃ愛せるかも………名無し――」
「!!……ッ…――」
「!ぷ……っ、なに~嬉しそうなカオしちゃってぇ……うんうん分かるよ分かる……これからも楽しみだよね~!―――………ほーらお望みどおり愛してやるよ」
ジェイドの後に名無しのなかに入ったことで、その愛で方の違いの大きさに、フロイドは改めて考えさせられていた。
自分だけが好いわけじゃないこと……見下ろした名無しが見違えるほど感じていて、舌を出して、唾液を漏らして虚ろに乱れている。
こういう表情を出させたジェイドには、軽く嫉妬心さえ覚えるほどだ。
まあ、逃げないように名無しの下で彼女をつかまえ、未だ耳や首筋を舐めるジェイドを見れば、彼もまた相当名無しを気に入ったと見ていいだろう。
たまたま見つけた、ただのいい遊び道具も同然だった。
が、既に名無しも満更じゃなさそうだし、気分屋な自分がここまで多幸感を浴びられるのなら、飼ってもいいと自ずと思えた。
「!!……よかったですね、名無しさん……フロイドが他人にキスをするなんて滅多にないことですよ?……お気に入りになれて何よりです」
耳元でひたひたと淫猥な音が響く。
ジェイドが言った言葉を理解するには、それなりに時間がかかった。
自分にとって嬉しいそれだったと分かったのは、フロイドに口付けられ、その状態でまた陰部に勢いよく射精された瞬間だった。
二人の長身の男に挟まれ、朝が来るまでには帰れるらしい約束をしたこともぼんやりと覚えている。
が、あれだけ帰りたいと思っていた名無しは、窓の外は海中に日が差すぎりぎりの時間まで、縋るように二人に哀願し続けた。
長らく嬲られ、思考の狂った果てがこれだ……もうまともに頭は働かない。
自分たちに堕ちた名無しを見下ろすジェイドとフロイドの顔には、再び恐ろしいほどの冷たい表情が淡く浮かんでいた―――。
20200403UP.
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