主≠監。
Be blessed II
Please input the ur name.
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
――――。
――。
――目の前のトレイに集中していても、時々耳に入る外野の騒音に身体は強張りを覚えた。
が、そうやって硬くなっていると、すぐに皮膚の薄い部分にはフェザータッチが降りかかる。
名無しはそのたびに、小鳥のように囀った。
「は……ん…はぁ……トレ…、……ッきもちいい…それ……好、い…」
「ンッ……ちゅ。……フフ。――……此処でお前を抱くの……やっぱり新鮮だな。舐められて…いっぱい濡れて、ああ……この高さだと……クリも舐めやすいかな。……ん…」
「ひゃ…ッ……、ぁ……ッ!」
寮部屋ではなく部室を選んでよかったと思った。
それに限れば自分だけの都合になるけれど、トレイにとっては殊の外、設置されていた作業台は名無しを寝かせるのに適していたようだった。
背を付かせ、渇望する行為をせがませ、それに応じて唇を浴びせる。
濃厚にキスを交わした後、トレイは名無しの望むがままに愛撫していた。
舌を絡ませながらワンピースの上から身体をまさぐられ、念入りだった胸の揉みしだきは、いつもどおりのトレイらしいいやらしさを含んでいる。
服が上下で分かれていない分、トレイは彼女の上半身をどう愛そうかと思ったけれど、その心配は一瞬で杞憂に終わっていた。
名無しの服は、前開きが可能なシャツ状のワンピースだった。
ゆえに胸元のボタンを外してウエスト部分のリボンも解けば、脱がしきるまでは行かずとも、じゅうぶん肌に触れられたのだ。
「俺の舌がココに来るまでのお前、めちゃくちゃいやらしかったよ……時々こっちを見て、早くして欲しそうにする顔も可愛かった……」
「んッ……焦らすん…だもん…、そういうところ……は…いつもとかわらない…っ、ん、ひぁ……あ……」
「ああ、焦らすよ……我慢してるお前可愛いし、好きだし。ほら……いつもの俺だろう?お前を早く抱きたいのに、自分のしたいことは結局全部するあたりが……フフ」
「っ……わか……も…っ、あんまり……っあ……傍で、喋らないで……ッんん…!」
「ハハッ……傍?はてさてどこのコトかな……んん…ッ、チュ……――」
「ッ……――」
冷静に外した複数のボタン。
その内側に見えるブラを掴み、トレイはそれを捲り上げ、名無しの乳房を視界に捉える。
唇と舌が触れたのはその周囲の肌を愛でてからのことではあったけれど、確かに愛撫は降らされていた。
膨らみの曲線に口付けながら狙った先端にはとろりとした感触を。
含んだ瞬間には、それを念入りに吸い上げたり、甘く噛んでみたりと、好きに遊んでみせる。
トレイの頭が名無しの下半身に移るまではその部位で卑猥な音がたっぷりと響き、自分の胸に目を向ければ、当然名無しはトレイとも目が合った。
恥じらいのあまりいじらしく逸らすと刺激が増して、むずむずと疼く下半身の内側を可愛がられたい欲が押し寄せたのは間もなくのことである。
――やがてひらひらとしたフレア状のスカートも捲られて、すると着崩されたワンピースを纏う形ができあがり、それを上から見下ろすトレイの喉を唸らせる。
生唾を飲み込みながらしゃがみ込んだ彼が名無しの膝や腿にキスを浴びせれば、今度は腰部へと頭を動かし、陰部を覆う下着を目指した。
鼠蹊部に沿った生地のラインは、丁寧にその周囲の肌を隈なく舐め回す。
名無しは腰を浮かせて感じながら、それでもなお物足りなさげにくびれを左右に動かしていた。
トレイにとっては、そんな名無しが可愛くてどうにも仕方なかった様子である……。
だからもっと……今度はその下着をずらしながら、露わにさせた潤う場所へと口付けた。
いやらしい香りと、汗の匂いで感じる性感物質に惹き寄せられるがまま――。
トレイの貪る行為は、深く深く名無しをとろけさせていた。
「―――は……ぁ…トレ…い……!そ……」
「フゥー……ふふ。もうとろとろだな……あーあー……机にも垂れてていやらしい。……今日も甘いよ、名無しのマン汁。んん……ちゅる…」
「ッ……あ…んん……ト……ふ、ぁ……や…ら……」
「んぅ、……ん?クリ、もういきそう……?腰震えてる……肉襞もこんなにヒクヒクさせて……カオも赤くなって。全身舐められたから感度が上がったのかな、フッ」
――名無しのひくついた身体は足先にも伝わっていた。
ある機を境に彼女の靴の片方が床へと落下し、ヒールが触れたのか、カコンと音が小さく響く。
無論、そんな音が聞こえようがいまいが、トレイはそれを小事としてしか見ていなかった。
名無しを容赦なく攻め立てる口腔の動きをより激しくさせ、じゅるじゅると吸い上げる淫猥な水音は、その圧が小事を掻き消す。
自身の口元にどんなに甘露が触れても、トレイは構うことなく名無しの陰核に舌を擦り付け続けた。
「な……全身感じた?名無し……」
「ッ……や、ん……感じる、から……きもちいいから…、イッ……いきたい、……ね…もっとし…、……」
「………」
「……、トレイ……?」
「――……フッ……えっちだな。それにほんと……ほんとにかわいい……そうやってクリきもちいいって感じて、俺にねだるお前。――今すぐ達かせてやりたい……」
「!あ……、ト……?!」
「けど……もう挿れたい」
「、え……」
「名無しのなかに挿入りたい……なあ…ひとつになってもいいか?」
名無しが感じている様子は、机の四方の脚のがたつきと、名無し本人の悶えから容易に察しのつくところである。
外には漏れないと一言聞いていても囀りすぎるわけにもいかず、必死に声を押し殺す仕草はあまりにも健気だ。
膝を震わせ、つま先をぴんとさせ、トレイの左右で両足が上下に揺れ、宙をゆく様はとても卑猥だった。
全身を這いずり回る舌に悶え、頂点欲しさに呆けた表情を零す。
それでも名無しは、欲しいところに浴びせられる刺激の心地好さに、その先を求めて首を振った。
トレイにとって、乱れ髪の隙間から覗くいやらしい顔を真上から見下ろせないのは残念ではあるけれど、それだけ彼の愛撫は短い時間のあいだでも懸命に施されていたのだ。
あとは、自ずと訪れる絶頂をそこで味わうまで……。
そう思って恥ずかしい会話にも耳を傾け、ありのまま従順になっていた。
名無しはトレイの舌に身を委ねていたけれど、ふと舐淫が途切れたかと思えば、続けざま耳にした言葉を理解するのに少し時間を要していた。
「名無し……だめ?」
「ッ…、ト…レ……、あ……」
「俺が舐めてぐしょぐしょになった名無しのココ……。もう俺ので激しく突いて、突いて……突きまくって。胸も弄って……セックスのことしか考えられなくしてやりたい」
「…っ……トレ…イ…や……でも、いき……」
「!はは……焦ってる。まあ……達きそうになってたのに、クリから急に俺の舌離されて…変に痺れてもどかしいよな。……ナカ疼いてるの、お前を見てれば分かるよ」
時間を要す……とは言っても知れたそれだ。
返答に困ったこともそう形容するには、ちょうど都合がよかった。
名無しがトレイの方を見つめて困り眉を作るのは、別にそれで許されると思っていたからじゃない。
純粋に困っていたのが大きかった。
もうすぐ甘い夢を見れる……。
そんな状況で快楽から遠ざかって、けれどトレイは熱情孕んだ眼差しで、自分本位にこちらを見つめて誘ってくる。
もちろんトレイを嫌いになれるわけもなく、その加虐癖を匂わせる素振りに、心の何処かでは高鳴っていることだってきっとばれている。
トレイはまだ何も知らないから、今このようなシナリオを独断で進められているのだろう……。
「っ…トレイ…………」
ただ、今は黙って高みへ連れて行って欲しかっただけだ。
元彼、ジェイド、立て続けに起きた偶然の望まない再会。
嫌なことが重なっていた今日一日、トレイにまずは慰めてもらえれば、それでいいとも思えた。
そのひとつの快楽すら直前で待てを食らい、名無しはシンプルに動揺していた。
そして動揺しているあいだに立ち上がったトレイと目が合えば、彼の次の行動は嫌でも読めた…――。
「トレ……あの、……イキた……でも、……!!待っ……んん……ァ…」
「ほら……分かるか?お前に挿入りたくていっぱい濡れてるよ……俺のも」
「っ……ん、おっき……く、なって…――トレイ……待っ、……あ…ッ」
「――……なあ…俺のとお前のココ。それと唇……上も下も……両方でいっぱいキスしたい。ん……名無し…すきだ……――」
ずらされていただけの下着が、いつのまにか片足を剥がされる。
内腿で引っ掛かる淡い色のそれに糸が見えたのは、名無しの蜜がねっとりと付着して伸びていたからだった。
トレイは立ち上がって自身のベルトに手を掛ける。
そこからジッパーを下ろす音がするまでも一瞬の出来事だった。
ボクサーの中心にも滲むのは彼自身の先走りだ……。
我慢の限界がきていることは視界に入らずともその表情と言葉のひとつひとつで理解出来たけれど、名無しはそれでも戸惑っていた。
その戸惑いを掻き消す甘いキスを浴びて、舌の絡みつきゆえに呼吸する術を失い、短く息を荒らげる……。
「!ト……あ、挿い……ッ…んん……」
目と目で見つめ合って、確かに胸は高鳴っている筈なのに。
見えない下半身はぬるりとした感触に煽られ、陰核は絶頂欲しさにぱんぱんに膨らみ、加えてじんじんと疼いている。
充血したそこをトレイの主張する濡れた先端によって弄られて、名無しは赤ら顔、その目尻には涙を滲ませた。
いやらしい囁きののち、トレイが名無しの内側をおもいきり犯したのは、その直後のことだった。
「……ふふふ」
――にちにちと響く水音は、はっきりとしたそれよりも卑猥に聞こえる。
けれどその擬音が今度はずぶずぶと、もっと下品に耳に入る。
あとは身体に変化を覚え、名無しはトレイに抱かれているということを自覚するだけだ。
ただひとつ、小さな小さな違和感だけを頭の片隅に……。
「!!……トレ……イ……?」
「――……、名無し…ン……ッ」
「…あァ……ッ――!」
薄く過ぎった疑問符が濃色を孕み膨らむ前に、それをトレイによって粉々に散らされる。
頭のなかで考えるのはトレイのことだけ……。
それを彼が望んでいたゆえに、名無しは挿入を最奥までゆるし、なすがままに組み敷かれた。
繋がった瞬間、名無しは絶頂欲しさも諦めきれていなかったけれど、一旦は過ぎたことだと踏ん切りもつけつつ、せがまれた唇もトレイに委ねていた。
きつい抱擁は大きな作業台の上で……トレイの身体に両足を預けて彼を挟みこんでしまったのも、考えてとったそれというよりは、本能で為した行いだった。
「――……ッ……あ…ァ……」
「……はぁ…ほんと……かわいいなお前……ナカ、……ああ…奥たまらない…、動くぞ……?ン……――」
抑えているつもりの声音が一瞬大きく漏れてしまえば、咄嗟にトレイの胸に顔を摺り寄せる。
唇が彼の鎖骨やその周辺に触れると、名無しは下半身の打ち付けに耐えるため、その部位に甘く噛みついた。
両手ももちろん、足と同様に広いその背に回している……。
いつの間にか、名無しはトレイに密着することで自ずと甘えてみせていた。
挿入からずっと嬉しそうにしていたトレイの笑みを見て、聞いて、自身も嬉しくないわけがないのがこの場で生まれた気持ちの悪い矛盾だ。
「…あ…っ……」
「ハッ……クチュクチュ聞こえる…だらしないな……ずーっと甘い涎垂らして…俺のにねっとり絡みついて……ん、…ああきもちいい……あ……ッ」
「トレ……んぁ…あ……ッ!あ……らめ、おく…くる……深…っか……」
「んー?好きだろう?深いの。ココ……先っぽでぐりぐりキスされるのも嬉しくてたまらないくせに……な?名無し……――」
「!あ……ア…ッ、だ……め…それ……!もうこえ、がまんできな……ッッ…」
――トレイは名無しが折れ、素直に自分に甘える仕草を目の当たりにすると、より気をよくして今度は彼女を抱き上げた。
次に作業台に身を寄せるのは自分だ……そういう心持ちを含んでのことだ。
体位を変え、繋がったまま座って名無しを楽にさせると、乱れた表情の彼女を見上げながら怒張を更に強かなものにさせる。
ゆっくりと腰を動かして蠕動を誘うと、名無しはトレイになおもしがみつき、耳元で何度も嬌声を零した。
上に座って、大きく、はしたなく足を広げて、中心は今もなおずっとずっと濡れ続けている……。
そんな恥辱を覚えた名無しが更にトレイにしがみついていると、開いた横目に映ったのは自分だった。
「――……ッ……」
それは大きな棚、多種多様な植物が植えられた小鉢の隣……透明な液体は恐らく薬品だろう。
その薬品の入った、とあるひとつの小さな瓶に反射して、淫らにトレイの上で悶えていたのは、いやらしい自分の姿。
――……よりも、名無しが目にしてそこを見開いたのは、先刻抱いた違和感が気の所為ではなかったからだった。
Be blessedⅡ
20221008UP.
10/10ページ