主≠監。
Be blessed
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――。
――――。
愛おしいが過ぎるからと言って、今はあまり懐古するべきじゃないことは分かっていた。
単純に身体に変化が起きることを自覚していたからだ。
束の間の休息とはいえ、疼いたままの下半身に新たな昂りが混ざれば、そこにはまた体液が溢れてしまうだろう。
「………ッ…」
思い出すだけで濡れてしまうことに、今だって恥ずかしいという気持ちは持ち合わせている。
どんなに今更と言われても、ほんの少しでも意識することが大事だと思った。
「トレイ……」
――やがて名無しは、脳裏で描いた少し前の自分たちのことから気持ちを切り離した。
次いだのは、トレイの寝顔を見つめながら彼の髪に触れること。
毛先を指先でツンツンと弄びながら笑みを零し、一応は起床を促していた。
「…ふぅ……ほんと、おかしくなるかと思っちゃった……」
「……んー……」
「?…、……まだ起きない……でも…かわいいなぁトレイの寝顔…ふふ。……だいすきだよ、トレイ……――」
Be blessed
好いた相手にされたこととはいえ、度を越した凌辱を浴びても、事が過ぎ去ればこうして笑みを浮かべ、平然と名を呼び隣で甘える。
なかなかクレイジーの域に入ることだとは思う。
それでも名無しはトレイが好きだったし、彼になら何をされてもいいと本当に感じていた。
「…トレイ?……わたし、今度こそほんとにシャワー浴びてくるからね……?」
「ん……」
「~……」
長い時間焦らされて、ソファの上で、ベッドの上で、何度も何度も辱めを浴びた。
赤面する頬の色も濃度を増し、比例するように声色はか弱く、いやらしく部屋に響いていた。
トレイの行為を甘んじて受け入れたのは、自分が望んだことも勿論あった。
加えて、どうしても名無しは苦しかったのだ。
本音を零し打ち明けども、ジェイドとの出会いや幾度となく彼を拒めなかった事実があり、それに見合った罰をどんな形であれ受ける必要があると思った。
その形が、ただ性的なものだっただけだ……。
トレイに委ねることで罪悪感から逃げたかったわけじゃないことだって、きっと彼は分かってくれているだろう。
投げ出したわけじゃないことだって、トレイだからこそ理解できたであろう。
「トーレーイー?」
――名無しは互いに高みに触れたあと、事後必ず訪れるまどろみのなかでうとうとと横たわっていた。
トレイも同じように名無しの身体を抱き寄せて、ただただ荒い息遣いを整えようとしていた。
が、数分後にひと呼吸置き、名無しがシャワー欲に駆られたのは必然だった。
『!……トレイ、どうし……さっき浴びてくるねって言……』
『……物足りない…』
『……ッ、…――』
その欲のために一言を零し、トレイを置いて起き上がってみせた……まではよかった。
そこからまた、彼女が真に、浴室に足を踏み入れるまでの道のりは遠のいていた。
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