主≠監。
betray the tongueⅣ
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『――……ハ……ああ……偉いよ本当……。恥ずかしいだろうなと思って近付けただけなのに……わざわざ俺の耳舐め回してまで、お前は……フフ』
『!……だっ…て…、ぅ……!!』
『頑張って言ったんだな……よしよし』
『っ……トレイ……ッ』
猛りの止まない陽物の先端が、名無しの腹部に時折触れて擦れる。
そんな些細なことにすら強い快感が走って、トレイの頭の中もとろけかけていた。
トレイは名無しを心から褒め、ここでさらに焦らすことはもはや野暮であり、同時にセンスのない行為だと感じ、素直に懇願に応じるために身を捩った。
が、名無しによって唱えられた悲願とは違う、本来ならば彼女の下半身へと顔を近付けるべき所作とは、まるで真逆の行動に出る。
『――……じゃあ舐めるか……お前のだーいすきなクリトリス。……んー、ただし……』
『?!』
『もう一度上……耳から順番に……ん、あむ……』
『!!ひ……だめ!もういいか……ら、や…ぁ……――ッ』
口開いた最初は、欲望が叶う文言を。
けれどトレイは直後連ねた言葉どおり、また名無しの耳元から舌を伸ばしていた。
――またふりだしに戻ったと言っても過言じゃない。
とろけた感覚に全身が震えて、度重なる多幸感に気が狂う。
『!トレ……ほんとにも、……っや……ああ……』
名無しは身体に這うトレイの舌に、まだまだ嬌声を上げ続けていた。
尽くされ尽した行為に肌は赤らみ、継続した下半身の潤みに、シーツがまた濡れてゆく。
望んだものとは違う愛情をいつぞやのシーン同様に振り撒かれ、ひくついた陰部に抱くもどかしさは相当なものだった。
『ちゅ……ン。――……名無し』
『ッ……?』
『………』
暫くすれば、トレイはその唇で話してくれた行為の続きを……名無しが求めるものを本当にしてくれるだろう。
けれどその暫くが待てなくて、皮膚を滑る舌の感触に喘ぎ悶える。
そんな折、ふとトレイは名無しの名を真剣に囁いていた。
ちょうどそれは首筋をくだり、入念に胸元を舐めていた瞬間だった。
名無しは少し前のトレイのように目を見開いて、彼の見えそうで見えない、弱い部分を目の当たりにした。
『――……ん……、なあ…そのとろんとしたカオ。もう……俺以外の誰にも見せないでくれ…名無し』
『っ……、トレイ……』
『……フッ。俺も汚いな……今更だし、こんなときに言うことでもなければ、俺以外のなんて……一人に決まってる』
『……っ…』
笑った顔も、照れた顔も。
困った表情だって全部見てきた。
トレイ自身の性格ゆえか、彼を連想する際、その印象に後ろ向きなものは今まであまり感じられなかった方である。
その筈の、現在はまた心からの本音が零れ落ちていたことは事実で間違いないだろう。
こんなとき……けれどそれだけ、彼がまだ胸を抉られていたということだ。
『……』
わかりきっている。
自分がしっかりしなくては、いつまでも気休めにしかならない……そう名無しは何度だって痛感する。
『トレイ…』
『…確かめる必要なんてないことくらい、今のお前をこうやって抱いてるだけで分かってる筈なのにな……フフ。……!名無し?』
『ッ……トレイ…――……はやく……』
『名無し』
『いいよ……もっと。め、……めちゃくちゃに…トレイの、すきにして……?わたしはされたい。……好き、トレイ……』
『!』
真剣な想いに、真剣に向き合う……。
その答えがただの淫蕩な返しでしか表せないことには、とても歯痒いものがあった。
が、それもまた名無しの本心だ。
トレイに気負いさせたくないし、思い出させたくない。
だからこそ、ひとつのことだけを考えて欲しいと思った。
自分だけを見ることで、せめてトレイがそうやって、弱い部分を掻き消せるのなら……。
たとえ同じことの繰り返しになったとしても、名無しの気持ちはただひとつ、何度だってトレイを支えたかったのだ。
『~ッ……』
『ッ…、はは……。……、なあ……お前には……俺が嫉妬深い男に見えたか?平気そうなカオして、裏ではねちねち、どろどろと……ずっとお前を抱くことばかり考えて……』
『!あ……んんッ……』
『――……名無し…?イくならちゃんと言えよ。じゃないともう舐……ココ、奥まで挿れてやらない……ん、ン……。ちゅ……ッ』
『ッ……!ひ……、ぉ……ああ…っ……』
その些細な弱音は、トレイにとってどれほど重いものだったのだろうか。
名無しにはまだ計れなかったけれど、それは単純に正確な数値が分からなかっただけだ。
気持ちはじゅうぶん伝わっている。
会話後の切り返しの早さから、甘い雰囲気も一瞬で部屋に戻っていた。
軽い自虐で少しの瞬間張り詰めた空気を吹き飛ばせば、名無しの陰部はまた新しく蜜を零し、トレイに舐め甲斐を覚えさせる。
身体を這い、移る唇がそこへ近付けば、かかる吐息にさえ過敏に淫猥に、名無しはまたひとつ心地の好い刺激を感じた。
そしてシリアスな空気が少し走ったことで、逆に彼女の望む高みは、すぐそこまで近付いていた。
『ハァ……、ん…んん……名無し……はぁ……すご、いやらしい…また零れて……ンン……ッ』
『ト…レ……ああもっと…ッきもち…ぃ……っ!クリきもちい…それきもちいぃ……もっとして……ぺろぺろそれ…好い、のッ……あっ…きもちぃキモチい……ッッ』
『んん……ぐ、んっ……』
トレイの言葉に従順になり、あまりにも素直に溢れ出る性への想い。
『きもちいよぅ……トレイきもちいい……もうクリいっちゃ、ア……もっとクリ舐……ッだめイク、い……クリいく……んあぁイくイクっ……いク、の……ッ!ああ……――ッ!!』
陰部でトレイが響かせた水音は、ずぼずぼと五月蠅く呻りをあげた。
立て続けに聞こえた嬌声は、名無しがどれだけ悶絶しているかをよく表していた。
名無しが声を荒らげたと同時、トレイは自らの口腔に感じた甘みににやりとしながら、そこからゆっくりと唇を離す。
ずっと舐め続けていたいと思うほどに吸い付いて、名残惜しいと感じたことは当然だった。
それでも身を起こしたのは、彼女を再びこの手に抱く為だ――。